札幌中心部から車で約1時間の場所に広がる定山渓温泉（じょうざんけいおんせん）は、開湯150年以上の歴史を持つ北海道屈指の温泉地。四季折々の渓谷美を望みながら、源泉かけ流しの温泉を楽しめるこのエリアは、道内外から多くの観光客が訪れる人気スポットです。

この記事では、定山渓温泉の概要・歴史・泉質・効能・日帰り温泉・周辺観光・アクセス方法など、訪問前に知っておきたい情報を徹底的にご紹介します。

温泉地概要｜札幌近郊に広がる豊かな自然と癒しの湯

定山渓温泉は、札幌市南区の豊平川沿いに位置する山あいの温泉地です。道内最大の都市・札幌からほど近く、気軽にアクセスできる“都市型温泉郷”として地元民にも親しまれています。

温泉街には大型ホテルや旅館が立ち並び、紅葉や雪景色といった季節の景観も魅力のひとつ。川沿いの遊歩道には足湯やカッパのモニュメントが点在し、温泉と自然の両方を気軽に楽しめるリゾート地として人気を博しています。

歴史｜名僧「美泉定山」が開いた湯治の地

定山渓温泉の始まりは、1866年（慶応2年）にさかのぼります。山奥に湧く温泉を発見したのは、修行僧・美泉定山（びせんじょうざん）。アイヌの人々から泉源の存在を聞き、険しい山中を切り開いて湯小屋を建てたのが始まりです。

その後、北海道開拓使の支援も受けながら温泉地として整備が進み、昭和初期には宿泊施設や道路も整備されていきました。現在では、札幌の奥座敷として道民に親しまれると同時に、全国各地から多くの観光客が訪れる歴史ある温泉地へと発展しました。

泉質と効能｜体を芯から温めるナトリウム塩化物泉

定山渓温泉の泉質は、ナトリウム-塩化物泉（弱食塩泉）。湯に含まれる塩分が肌に膜を作り、保温効果が高く「熱の湯」とも呼ばれる泉質です。

■ 泉質

  • ナトリウム－塩化物泉（無色透明・微かに塩味）
  • 源泉温度：約60〜80℃（施設によって異なる）
  • ph：中性〜弱アルカリ性

■ 主な効能（適応症）

  • 冷え性、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、慢性皮膚病
  • 疲労回復、病後回復、健康増進、慢性婦人病、切り傷、やけど など

肌あたりがやわらかく湯冷めしにくいため、女性や高齢者にも人気の高い泉質です。多くの宿泊施設では源泉かけ流し、または加水・加温のみで提供されています。

日帰り温泉施設｜気軽に名湯を楽しむ

宿泊しなくても楽しめる日帰り温泉施設も充実しています。以下はおすすめの代表的な施設です（2025年時点の情報です）。

■ 湯の花 定山渓殿

  • 営業時間：10:00～21:00（最終受付20:30）
  • 料金：大人980円／小人450円
  • 特徴：源泉かけ流し、露天風呂、サウナ完備。食事処も併設。
    ☆湯の花　定山渓殿の特集記事はこちら

■ 定山渓万世閣ホテルミリオーネ（大浴場 日帰り利用）

  • 営業時間：
    朝風呂：7:00～10:00（最終受付9:00）
    昼～夜の部：12:00～20:00（最終受付18:00）
    ※男女入れ替え制のため、時間帯により利用可能な浴場が異なります。
    ※詳細は当日のフロントまたは公式サイトでご確認ください。
  • 料金：大人1,500円／小人800円
  • 特徴：広々とした大浴場と岩風呂、温水プールあり。女性専用湯上がりラウンジも人気。
    ☆定山渓万世閣ホテルミリオーネの特集記事はこちら

■ 花もみじ（花ゆづきの湯）

  • 営業時間：日により変動
  • 料金：大人1,500円／小人750円
  • 特徴：渓谷を望む展望風呂と庭園風の露天風呂が楽しめる。

※料金や営業日は季節・混雑状況により変更となる場合があります。公式サイト等で最新情報をご確認ください。
☆花もみじの特集記事はこちら

周辺観光地｜自然と癒しが満載のエリア

● 二見吊橋と豊平川沿いの遊歩道

紅葉や新緑の名所。川のせせらぎを聞きながらの散策が心地よいスポット。

● 定山源泉公園

足湯や美泉定山の像が設置されており、温泉の歴史を学べる癒し空間。

● 定山渓神社

開拓と温泉守護の神を祀る由緒ある神社。秋の紅葉シーズンが特におすすめ。

● 定山渓ネイチャールミナリエ（季節限定）

夜の渓谷を幻想的に彩る光のアートイベント。冬期は雪と光のコントラストが魅力。

アクセス方法｜札幌市内から約1時間の快適アクセス

■ 公共交通機関

  • JR札幌駅 → じょうてつバス「定山渓温泉行き」：約75分
  • 地下鉄南北線「真駒内駅」→ 定山渓温泉バス：約50分

※バスは「定山渓温泉」バス停下車すぐ。各温泉宿や観光施設が徒歩圏内にあります。

■ 車利用

  • 札幌中心部から国道230号線経由で約60分
  • 新千歳空港から約90分
  • 道中には「中山峠」や「豊平峡ダム」などの立ち寄りスポットもあり、ドライブコースとしてもおすすめ。

注意点｜天候・交通・混雑に注意を

  • 冬季は積雪・凍結に注意：道路状況によりスリップや通行止めの可能性あり。スタッドレスタイヤ・チェーン装備推奨。
  • 土日祝・紅葉シーズンは混雑しやすい：早めの到着や平日の訪問がおすすめ。
  • 日帰り施設は定休日・貸切対応日もあるため、事前確認が重要。

まとめ｜札幌から気軽に行ける“癒しの温泉郷”で、心と体を整える

「定山渓温泉」は、アクセスの良さと自然の豊かさ、そして歴史と湯質の確かさを兼ね備えた、北海道屈指の温泉リゾートです。観光・グルメ・紅葉・雪景色と四季折々の楽しみ方があり、滞在型でも日帰りでも満足できる魅力にあふれています。

札幌観光の延長としても、温泉旅の目的地としても、訪れて損のない名湯。次の北海道旅では、ぜひ定山渓温泉で癒しのひとときをお過ごしください。

📌 定山渓温泉観光協会公式サイト
👉 https://jozankei.jp/