北海道の北部、サロベツ原野のふもとに広がる【豊富温泉】。その中核施設として地元住民や全国の湯治客に親しまれているのが【豊富温泉ふれあいセンター】です。アトピー性皮膚炎や慢性疾患に悩む人々から高い評価を受けており、独特な泉質と整った設備で心身のケアが叶うスポットとして人気を集めています。

この記事では、豊富温泉ふれあいセンターの施設概要から泉質、源泉の情報、アクセス方法まで詳しく解説します。日帰り入浴を検討中の方や、北海道で湯治を目的とした旅行を計画している方はぜひ参考にしてください。


■ 施設概要|豊富温泉ふれあいセンターとは?

豊富温泉ふれあいセンターは、1996年にオープンした公共の温泉入浴施設です。湯治を目的とした長期滞在者から、旅の途中に立ち寄る観光客まで、幅広い層に利用されています。

施設内には、深さや温度の異なる複数の浴槽があり、利用者の症状や体調に合わせて入浴方法を選ぶことができます。リハビリ用の浅い浴槽や、段差の少ない構造など、バリアフリーにも配慮された設計が特徴です。また、温泉利用指導員が常駐しており、初めて湯治を行う方にも丁寧なアドバイスを受けることができます。

  • 【住所】北海道天塩郡豊富町字温泉
  • 【営業時間】10:00~21:00(最終受付 20:30)
  • 【休館日】毎月第3月曜日(祝日の場合は翌日)
  • 【入浴料】大人500円、小人250円(回数券や団体料金あり)
  • 【駐車場】無料あり(20台以上)

館内には休憩スペースや湯上がり用の軽食コーナーもあり、のんびりと滞在できます。


■ 源泉かけ流し&強烈な個性を持つ泉質が魅力

豊富温泉ふれあいセンターの最大の魅力は、その唯一無二の泉質にあります。

◉ 泉質の特徴

泉質は「含よう素–ナトリウム–塩化物・炭酸水素塩泉」で、豊富町の地下1,200メートルから湧き出る天然の温泉。特筆すべきは、石油成分を多く含む点です。湯船の表面に油膜が浮かび、浴室内には独特の石油臭が漂います。

この石油由来の成分には保湿効果があり、乾燥肌やアトピー性皮膚炎に悩む人々から「肌がしっとりする」「かゆみが和らぐ」と高い評価を得ています。実際に、医師の紹介で来る患者や、毎年決まって訪れるリピーターも少なくありません。

◉ 源泉かけ流しの贅沢

ふれあいセンターでは、加水・加温を一切行わず、100%源泉かけ流しで温泉を提供しています。湧出温度が適温(約42〜44℃)のため、そのまま浴槽に注がれているのも大きな魅力です。

湯の鮮度を保つために常に新しいお湯が注がれており、「本物の温泉に入りたい」という温泉ファンにも納得の設備です。


■ 日帰り入浴にも最適|利用の流れと注意点

豊富温泉ふれあいセンターは日帰り入浴も歓迎しており、観光途中の立ち寄りにもぴったりです。

受付で入浴料を支払い、脱衣所で着替えたらすぐに源泉かけ流しの湯に浸かれます。施設は清掃が行き届いており、清潔感も抜群。地元の人々と交流しながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

ただし、泉質が非常に個性的なため、皮膚が弱い方はまず短時間の入浴から始めることが推奨されています。温泉利用指導員が相談に応じてくれるため、不安がある場合は気軽に声をかけてみてください。


■ アクセス方法|公共交通と車利用の両対応

● 公共交通でのアクセス

最寄り駅はJR宗谷本線の「豊富駅」。札幌駅から特急と乗り継ぎで約5時間、稚内駅からは約40分です。豊富駅から温泉街へはタクシーまたは町営バス(所要約15分)でアクセスできます。

● 車でのアクセス

  • 稚内市内から:約1時間(国道40号線経由)
  • 旭川市内から:約4時間(道央道→国道40号線)
  • 宗谷岬や利尻島観光との組み合わせもおすすめです。

駐車場が広く無料のため、レンタカー利用者にも便利です。


■ まとめ|「湯治と癒し」が両立する豊富温泉ふれあいセンター

【豊富温泉ふれあいセンター】は、日本でも数少ない「石油泉」を源泉かけ流しで楽しめる貴重な温泉施設です。アトピー性皮膚炎などの慢性的な皮膚トラブルに悩む方だけでなく、観光で立ち寄る方にとっても、癒しと温もりを感じられる場所となっています。

豊かな自然と静寂に包まれた環境の中で、体の内側からリセットできる体験を求めて、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。北海道の最北に位置する、心と肌を潤す「湯治の聖地」が、あなたを待っています。