観光地概要
御座石神社(ござのいしじんじゃ)は、秋田県仙北市田沢湖町の湖畔に佇む歴史ある神社です。田沢湖は日本一の水深を誇る湖で、その美しい湖畔に朱塗りの鳥居が映える光景は、訪れる人々の心を惹きつけます。
御座石神社は「辰子伝説」と深く結びついていることで知られています。田沢湖の守護神とされる辰子姫を祀っており、縁結び・美貌成就・開運のご利益があるとされ、観光客や参拝者が絶えません。
湖畔の散策路からすぐにアクセスできる立地の良さもあり、ドライブや観光の途中に立ち寄れるスポットとして人気です。境内には名木「七色木」や「鏡石」などの名所も点在し、神秘的な雰囲気に包まれています。2025年9月現在も、田沢湖観光のハイライトのひとつとして全国から参拝客が訪れています。
歴史
御座石神社の社名は、慶安3年(1650年)に秋田藩主・佐竹義隆公が田沢湖を遊覧した際、湖畔の石に腰をかけて休んだことに由来しています。その「御座石」が神社の名となり、以後この地は聖地として崇められるようになりました。
神社に祀られているのは、田沢湖の守護神であり辰子伝説の主人公・辰子姫です。辰子姫は「永遠の美」を願って湖の水を飲み続けた結果、龍となって湖に棲みついたとされます。この伝説は田沢湖の青く深い水と重なり合い、神秘的な信仰を生み出しました。
近世から近代にかけて、田沢湖周辺は信仰の対象として巡礼地となり、御座石神社は湖を守る神社として多くの人々に参拝されるようになりました。現在でも辰子姫信仰は続き、観光と信仰が融合した独特の文化を形成しています。
見どころ
朱塗りの鳥居と田沢湖の景観
湖畔に立つ朱塗りの鳥居は御座石神社のシンボル。田沢湖の蒼く澄んだ水と鮮やかな朱色のコントラストは絶景で、写真撮影スポットとしても大人気です。
七色木(なないろぎ)
境内には1本の幹から7種類の木が生えている不思議な木「七色木」があります。生命力と神秘を感じさせる御神木で、訪れる人々にパワースポットとして親しまれています。
潟頭の霊泉
辰子姫が龍となったとされる「潟頭の霊泉」も見どころのひとつ。湧き出る清水は神聖な水として崇められており、伝説の舞台を実際に目にすることができます。
鏡石
辰子姫が自らの姿を映したとされる「鏡石」も境内に残されています。静かな湖畔で石を覗き込むと、伝説と現実が重なる不思議な感覚を味わえます。
美貌成就・縁結びのご利益
辰子姫に由来することから、美容や縁結びのご利益があるとされ、特に女性参拝者に人気があります。旅行中の願掛けスポットとして立ち寄る人も多いです。
周辺観光地
田沢湖遊覧船
御座石神社の参拝後には田沢湖遊覧船で湖上から絶景を楽しむのがおすすめです。辰子姫像や湖畔の山々を眺めながら約40分のクルーズを堪能できます。
辰子像(たつこぞう)
御座石神社から湖畔沿いに進むと、黄金に輝く辰子像があります。田沢湖を代表する観光シンボルで、記念撮影に欠かせないスポットです。
抱返り渓谷
車で30分ほどの距離にある景勝地で、渓流沿いに整備された遊歩道から四季折々の自然美を楽しめます。特に紅葉シーズンは圧巻です。
乳頭温泉郷
田沢湖観光とセットで訪れたい秘湯の名所。茅葺き屋根の宿や露天風呂など、風情ある温泉体験ができます。
アクセス方法
- 車:東北自動車道「盛岡IC」から国道46号経由で約1時間30分。秋田市からは約2時間30分。
- 公共交通機関:JR田沢湖駅から羽後交通バス「田沢湖一周線」に乗車、「御座石神社前」下車すぐ。所要時間は約20分。
- 駐車場:神社周辺に無料駐車場あり(普通車約30台)。
注意点
- 湖畔は天候により風が強くなることがあります。特に冬季は積雪や路面凍結に注意が必要です。
- 観光シーズン(GWや紅葉時期)は駐車場が混雑しやすいため、早めの訪問がおすすめです。
- 神社境内や周辺は自然地形を活かした道が多く、歩きやすい靴で訪れると安心です。
- 霊泉や御神木には触れず、信仰対象としてマナーを守ることが求められます。
まとめ
御座石神社は、田沢湖の美しい景観と辰子伝説が融合した、秋田観光の中でも特に魅力的なスポットです。朱塗りの鳥居や七色木、霊泉、鏡石など見どころが多く、自然と神話の両方を体感できる場所として人気を集めています。
また、周辺には辰子像や遊覧船、抱返り渓谷、乳頭温泉郷など観光資源が豊富に揃っており、田沢湖観光をより充実させる拠点となるでしょう。秋田を訪れる際には、ぜひ御座石神社で神秘的な湖畔の魅力に触れてみてください。
補足
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖潟字中山
- 創建:慶安3年(1650年)
- 御祭神:辰子姫命(田沢湖の守護神)
- 入場料:無料
- 駐車場:普通車約30台(無料)
- 所要時間:参拝・散策20〜40分