観光地概要

秋田県能代市にある「能代火力発電所 能代エナジアムパーク」は、電気の仕組みや再生可能エネルギーについて楽しく学べる体験型施設です。所在地は能代市字大森山1-6。東北電力グループが運営する能代火力発電所に併設されたPR館で、一般見学が可能な全国有数のエネルギー学習拠点として知られています。

開館時間は9:30~16:30で、入場無料。休館日は毎週月曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始。PR館は自由見学が可能ですが、発電所の見学には事前予約が必要です。駐車場は普通車140台分と大型バスのスペースもあり、団体見学にも対応しています。

能代火力発電所は、日本海沿岸に位置し、燃料の輸入・輸送・貯蔵に適した立地にあります。発電所見学では、最新鋭の設備や環境対策の取り組みを間近で見られ、併設の「エナジアムパーク」では、子どもから大人まで楽しみながら電気とエネルギーの重要性を学ぶことができます。

2025年11月時点でも、秋田県内の科学学習・産業観光スポットとして高い人気を誇り、修学旅行や社会科見学の定番コースとしても多く利用されています。

歴史

能代火力発電所は、秋田県のエネルギー供給拠点として建設されました。第1号機は1980年代に運転を開始し、以降、安定的に電力を供給しながら、環境技術の進化とともにリニューアルを重ねてきました。

かつては石炭を主燃料とする大型火力発電所として稼働していましたが、環境負荷の低減と効率化を目的に、最新技術を導入。現在では、石炭火力の高効率化やCO₂削減技術、さらにはバイオマス燃料の混焼など、持続可能な発電システムを積極的に採用しています。

その一方で、「電力の仕組みを地域の人々にも理解してもらいたい」という思いから、PR施設として能代エナジアムパークが設立されました。「エナジアム」は、“エネルギー”と“ミュージアム”を組み合わせた造語で、エネルギーを“見て・触れて・体験できる”学びの場を意味しています。

能代市は「木都」として栄えた歴史を持つ地域でもあり、かつての木材産業と同様に、エネルギー産業が地域の発展を支える存在となっています。能代火力発電所とエナジアムパークは、その象徴として能代の地に新たな価値を生み出し続けているのです。

見どころ

1. 発電所見学ツアー(要予約)

能代火力発電所の見学では、発電のプロセスを実際の設備を通して学ぶことができます。見学時間は約60分で、アテンダントの案内付き。発電の仕組み、燃料の搬入経路、タービンの構造、そして最新の環境対策技術などを丁寧に解説してくれます。

発電所の心臓部である「中央制御室」や「ボイラー室」なども一部見学可能で、普段は立ち入れないエリアに入ることができるのも魅力。安全対策や再生可能エネルギーの導入についても紹介され、子どもから大人まで興味深く学べる内容です。

見学は完全予約制のため、事前に電話で申込みが必要です。予約状況によっては希望日時に見学できない場合もあるため、早めの問い合わせが推奨されています。

2. エナジアムパーク(PR館)自由見学ゾーン

PR館は予約不要で自由に見学できるエリア。館内には、電気の流れを分かりやすく展示した模型や、クイズ形式で学べるタッチパネルなどが設置されています。発電から家庭に電気が届くまでの仕組み、再生可能エネルギーの活用事例、環境保全の取り組みなど、子どもにも理解しやすい内容になっています。

特に人気なのが「発電体験コーナー」。自転車型の発電機をこいで電球を点ける体験では、電気を作る大変さとエネルギーの大切さを実感できます。また、模型を使った「能代火力発電所のミニチュア展示」も人気で、巨大な施設の全体像を一目で把握できます。

3. 環境への取り組み展示

発電所の環境保全活動に関する展示も充実しています。燃料の混焼率の工夫や排煙処理技術、CO₂排出削減の実例を紹介。さらに、地域の環境保全活動として、能代の「風の松原」を守る植林活動や、地元の小学校との環境学習の取り組みなども紹介されています。

これらの展示を通じて、単なる発電施設ではなく、自然と共生するエネルギー拠点であることを実感できます。

4. 展望スペースから望む能代港と日本海

館外の展望エリアからは、能代港と日本海を一望できます。特に晴れた日は、発電所の煙突と広い海が織りなす風景が圧巻。遠くには男鹿半島や白神山地も見え、産業と自然が調和する美しい景観を楽しめます。

5. 地域との交流・イベント

能代エナジアムパークでは、地域との交流イベントや科学教室も定期的に開催。子どもたちを対象とした「エネルギー教室」や、環境月間に合わせた「夏休み親子見学会」などが人気です。こうしたイベントは、地域住民と企業が一体となって環境とエネルギーを考える機会として注目を集めています。

周辺観光地

はまなす展望台(車で約5分)

能代港を見渡せる高さ27mの展望台。日本海、風の松原、白神山地を一望でき、夕日スポットとしても有名です。

風の松原(車で約10分)

日本最大級の防砂林で、約700万本の松が続く圧巻の風景。遊歩道が整備されており、森林浴やウォーキングに最適。

能代バスケミュージアム(車で約15分)

「バスケのまち能代」を象徴するミュージアム。能代工業高校の輝かしい歴史やユニフォームなどを展示。

能代市旧料亭金勇(車で約15分)

秋田杉をふんだんに使用した和風建築の名建築。国登録有形文化財にも指定されており、無料で見学可能。

アクセス方法

  • 所在地:〒016-0807 秋田県能代市字大森山1-6
  • 電話番号:0185-52-2955
  • :秋田自動車道「能代南IC」から約10分
  • 公共交通機関:JR能代駅からタクシーで約15分
  • 駐車場:普通車140台(大型バス駐車可)

注意点

  • 発電所見学は要予約。見学可能日でも予約が埋まっている場合があります。
  • 館内に飲食施設はありません。昼食は周辺の飲食店を利用しましょう。
  • 施設内では安全上の理由から帽子の着用やハイヒールでの入場が制限される場合があります。
  • 小学生以下の見学は保護者の同伴が必要です。

まとめ

能代火力発電所 能代エナジアムパークは、エネルギーの重要性と自然との共存を体感できる貴重な学習施設です。最新の発電技術、環境保全の取り組み、地域との共生活動などを間近で学べるこの施設は、子どもから大人まで楽しめる「体験型エネルギーミュージアム」といえるでしょう。

また、能代港や日本海の眺望も素晴らしく、見学後の散策にも最適。無料で見学できる点も魅力的です。能代を訪れる際には、科学と自然が融合したこのエナジアムパークで、未来のエネルギーについて考える時間を過ごしてみてください。

補足

  • 所在地:秋田県能代市字大森山1-6
  • 電話:0185-52-2955
  • 開館時間:9:30〜16:30
  • 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
  • 入場料:無料
  • 見学時間:発電所 約60分/PR館 約30分
  • 駐車場:普通車140台・大型バス可
  • 所要時間:見学全体で約90分
  • 予約:発電所見学は要事前予約