北海道・ニセコ連峰の山あいに湧く「ニセコ湯本温泉郷」と、その中でも特に標高が高く自然美に包まれた「五色温泉」。豊かな自然に囲まれたこのエリアは、“温泉通”や“登山客”に長年愛されてきた知る人ぞ知る秘湯スポットです。
ニセコのリゾートエリアから少し足を延ばせば、硫黄の香り漂う大地と乳白色の湯に出会えます。本記事では、ニセコ湯本温泉郷・五色温泉の温泉地概要、歴史、泉質、効能、日帰り温泉施設、周辺観光地、アクセス方法、まとめをわかりやすくご紹介します。
温泉地概要|山あいに静かに佇む、ニセコの“秘湯郷”
ニセコ湯本温泉郷は、ニセコアンヌプリとイワオヌプリの間、標高750mほどの山あいに点在する温泉エリアです。特に有名なのが「五色温泉」で、その名は天候や光の加減で湯の色が五色に変化することに由来します。
ニセコの中心地から車で30分ほどの距離にありながら、周囲には人工物がほとんどないため、まさに「手つかずの自然に抱かれる湯治場」としての雰囲気が漂います。登山やスキー後の疲れを癒やす湯として、地元民はもちろん、全国からの温泉ファンに根強い人気があります。
歴史|ニセコ山岳信仰と湯治文化が息づく温泉郷
五色温泉の開湯は明治末期から大正初期にかけてとされ、古くから登山者や地元の農民たちの湯治場として親しまれてきました。源泉の近くにはかつてアイヌの人々が暮らしていたとされ、彼らもまたこの温泉の効能を知っていたと伝えられます。
昭和中期には温泉宿が建ち並ぶようになり、ニセコ連峰登山の拠点として賑わいを見せました。近年では観光化が進むニセコエリアにおいても、素朴で静かな温泉地として独自の存在感を放っています。
泉質と効能|大地のパワーを感じる乳白色の硫黄泉
五色温泉の最大の魅力は、濃厚な硫黄泉です。火山性の源泉は自然湧出し、かけ流しで提供されることが多く、その泉質の力強さは「薬湯のようだ」と称されることもあります。
■ 泉質
- 含硫黄-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉(酸性~中性)
■ 泉温
- 約60~75℃(高温のため加水される場合あり)
■ 効能(適応症)
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、打ち身、慢性皮膚病、疲労回復、冷え性、慢性婦人病、糖尿病など
硫黄の香りと、肌に染み入るような滑らかさは、温泉マニアにも「ニセコで一番」と称されるほどの評価を得ています。
日帰り温泉施設|気軽に楽しめる2つの代表的な宿
● ニセコ五色温泉旅館
昔ながらの山小屋風の佇まいで、源泉かけ流しの内湯・露天風呂を楽しめます。周囲に何もないため、露天風呂からは満天の星空が望めることも。
- 営業時間:10:00〜20:00(最終受付19:00)ー冬季。夏季は9時~
- 料金:大人800円/小学生以下500円
- 泉質:硫黄泉(源泉かけ流し)
周辺観光地|温泉とセットで楽しめる絶景&体験スポット
● ニセコアンヌプリ登山口(車で10分)
ニセコ連峰の代表格であるアンヌプリの登山道入口。夏は登山・秋は紅葉狩り、冬はバックカントリースキーの拠点として人気。
● ニセコパノラマライン(道道66号)
五色温泉までのルートは、北海道屈指のドライブルート。羊蹄山や日本海を望む絶景が広がり、四季折々の自然を車窓から楽しめます。
● ニセコ湯本温泉大湯沼
遊歩道で散策できる硫黄泉の源泉地帯。ボコボコと湧き立つ温泉の様子は、地球の鼓動を間近に感じさせます。
アクセス方法|札幌から2時間でたどり着く“別世界”
■ 所在地
北海道虻田郡ニセコ町字ニセコ510
■ 公共交通(おすすめは車)
- JR「倶知安駅」または「ニセコ駅」からタクシー・レンタカー利用(所要約30分)
- 冬季はバス路線が不定期となるため、レンタカー推奨
■ 車利用
- 札幌から:約2時間(国道230号→道道66号)
- 新千歳空港から:約2時間30分
- 駐車場:各施設前に無料完備(冬季は積雪で狭くなる場合あり)
まとめ|喧騒から離れ、自然と湯に包まれる“本物の癒し”を
ニセコ湯本温泉郷・五色温泉は、観光化されたニセコの中心エリアから少し離れるだけで、まるで別世界のような静寂と自然のパワーに満ちた癒しの地です。
「温泉に入るために旅をする」そんな動機にぴったりなこの地は、登山やアウトドアの後はもちろん、温泉地としてじっくり滞在するのにもおすすめ。本物の硫黄泉を、かけ流しで味わいたい方にとっては“聖地”といえる存在です。
旅の予定に、ひとときの静けさと温もりを。ニセコの山々と温泉が、きっと心と身体を包み込んでくれることでしょう。
📌 ニセコ観光公式サイト
👉 https://www.nisekotourism.com/ja/
📌 五色温泉旅館公式サイト
👉 https://goshiki-onsen.com/