◆ 施設概要|八甲田の山懐に佇む“日本を代表する湯治の宿”
青森県の名峰・八甲田山系に抱かれ、標高900メートルの高地に湧く「酸ヶ湯温泉旅館」。四季折々の自然美に囲まれながら、豊富な湯量と高い効能を誇る名湯を楽しめることで知られています。
その名を全国に広めたのは、なんといってもヒバ造りの「千人風呂」。広々とした大浴場に白濁の湯が満ち、レトロな湯治文化の面影を今に伝える温泉旅館です。国民保養温泉地第1号にも指定され、長年にわたり湯治客・観光客の憩いの場となってきました。
◆ 泉質について|白濁した硫黄泉が心身を癒す極上の湯
酸ヶ湯の湯は、「酸性硫黄泉(含石膏、酸性硫化水素泉)」で、通称“にごり湯”。強い硫黄臭と、湯船に白く濁った温泉成分が漂い、入った瞬間からその力強さが感じられます。
泉質は緊張型・低張性・高温泉に分類され、以下のような幅広い効能があります。
- 浴用適応症:神経痛、関節痛、筋肉痛、五十肩、運動麻痺、慢性消化器病、冷え性、疲労回復、やけど、慢性皮膚病、糖尿病、高血圧症など
- 禁忌症:急性疾患、悪性腫瘍、重度の心疾患・腎疾患、出血傾向、皮膚・粘膜が敏感な人(特に光線過敏症)
源泉は100%かけ流しで、加水・加温・循環なしの天然の恵みをそのまま味わえます。
◆ 見どころ|ヒバの香り漂う千人風呂と、もうひとつの静かな癒し
◯ 千人風呂|圧巻の広さと趣き、混浴文化を今に伝える名湯
「千人風呂」という名称は、実際に千人が入れそうなほど広大な空間から名付けられました。総ヒバ造りの浴室内には、熱の湯・冷の湯・四分六分の湯・打たせ湯の4種類が並び、湯めぐりをしながら体を整えることができます。
白濁した湯に身を沈め、木の香りに包まれる瞬間は、まさに“湯治文化”を体感するひととき。午前8時〜9時は女性専用時間も設けられており、初めての方にも配慮された運用となっています。
- 利用時間:7:00~18:00(最終受付 17:30)
- 女性専用時間:8:00~9:00
◯ 玉の湯(小浴場)|静かに過ごしたい方におすすめの別室浴場
男女別の小浴場「玉の湯」は、混浴に抵抗がある方や落ち着いて温泉を楽しみたい方におすすめ。こぢんまりとした空間ながら、千人風呂と同じ源泉を使用しており、泉質はまったく同じ。
- 利用時間:9:00~17:00(最終受付 16:30)
◆ アクセス方法|市街地からのバス利用が便利な山の湯治宿
酸ヶ湯温泉旅館は、山間にありながらも交通アクセスは比較的良好です。マイカーだけでなく、青森駅・新青森駅からのバス利用でもアクセス可能です。
- 住所:青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
- バス利用:JR青森駅または新青森駅より「JRバス東北・みずうみ号(八甲田・十和田線)」にて約1時間、「酸ヶ湯温泉」バス停下車すぐ
- 車利用:青森市街地より国道103号経由 約40分(冬季はタイヤ規制あり)
◆ 日帰り入浴情報|宿泊しなくても楽しめる湯治の魅力
酸ヶ湯温泉旅館では、日帰り入浴も積極的に受け入れており、観光の途中や登山後の立ち寄り湯としても人気です。
- 入浴可能施設:千人風呂・玉の湯・日帰り休憩所(御鷹々々サロン・ねぶたロビー)
- 入浴時間:
- 千人風呂:7:00~18:00(女性専用8:00~9:00)
- 玉の湯:9:00~17:00 - 料金:大人1,000円/小学生500円(タオル付き)
- 入浴券購入:自動販売機(フロントでタオル引き換え)
◆ 注意点|標高・泉質・施設特性に応じた準備を
- 強い酸性泉のため、肌の弱い方や光線過敏症の方は注意が必要です。
- 冬季は積雪・凍結によりアクセスに影響が出る場合あり。車利用の方は冬用装備必須。
- ヒバ千人風呂は混浴となっているため、入浴時のマナーと心構えを忘れずに。女性専用時間の活用も推奨。
- 温泉成分による金属腐食があるため、貴金属類の持ち込みは避けるのが無難です。
◆ まとめ|“千人の湯”で出会う、本物の温泉と静けさ
酸ヶ湯温泉旅館は、にごり湯・自然・伝統が融合する、「温泉の原点」とも言える存在です。湯治場としての歴史を受け継ぎながら、観光客にも開かれた施設として高い満足度を誇ります。
現代の喧騒から離れ、白濁した湯に身を委ねてみてください。体だけでなく、心の疲れまで溶かしてくれるような感覚がきっと味わえるはずです。
📍 施設情報まとめ
- 名称:酸ヶ湯温泉旅館
- 住所:青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
- 公式サイト:https://sukayu.jp
- 日帰り入浴時間:
- 千人風呂:7:00~18:00(女性専用8:00~9:00)
- 玉の湯:9:00~17:00 - 料金:大人1,000円/小学生500円(タオル付き)
- アクセス:青森駅よりバスで約1時間、車で約40分