◆ 観光地概要|風が語る、津軽海峡の最果てに立つ展望の地

青森県の津軽半島最北端に位置する「竜飛岬」は、津軽海峡と日本海が出会う荒々しくも美しい岬です。標高約130mの断崖の上には白亜の竜飛崎灯台が立ち、晴れた日には海の向こうに北海道を望むこともできます。

“風の岬”の異名を持つほど強風地帯としても知られ、吹き荒ぶ風とともに感じる大自然の圧倒的スケールが魅力。歌謡曲『津軽海峡・冬景色』の舞台としても有名で、展望台にはその歌詞が流れるボタンも設置されています。


◆ 歴史|古くから海の要衝、義経伝説も残る北の地

竜飛岬周辺は古代から津軽と蝦夷地(北海道)を結ぶ重要な航路の出入口として機能してきました。近世には北前船の寄港地として栄え、明治以降は青函連絡船や漁業の拠点として賑わいを見せました。

また、義経北行伝説では、源義経が平泉から逃れ蝦夷地を目指す途中で竜飛岬を通ったという逸話が残り、今も“義経寺”や関連碑などが観光スポットとなっています。

1988年には、青函トンネルの本州側出入口が竜飛岬直下に完成し、鉄道交通史においても重要な場所として注目を浴びました。


◆ 見どころ|“最果て”を感じる絶景とユニークな体験

◯ 竜飛崎灯台|海峡を見守る白きシンボル

断崖に立つ真っ白な灯台は、津軽海峡を照らす航海の守り神。展望デッキからは、北に北海道、南に津軽半島の海岸線、東に下北半島を望む360度の絶景が広がります。

灯台周辺にはベンチや散策路が整備されており、春~秋には澄んだ海と風が作り出す壮観な風景が堪能できます。


◯ 階段国道339号|歩いてしか通れない日本唯一の“国道”

「国道なのに車が通れない」として話題の階段国道。竜飛漁港から灯台方面へ続く364段の階段に、正式な国道標識が立っており、全国でも珍しい観光名所となっています。

その異色ぶりからテレビや雑誌にも取り上げられ、記念撮影スポットとして人気を博しています。


◯ 津軽海峡・冬景色 歌謡碑|名曲の舞台でワンフレーズを聴く

石川さゆりの名曲『津軽海峡・冬景色』の2番の歌詞は、実は竜飛岬を舞台としたもの。展望台に設置された歌謡碑のボタンを押すと、メロディーとともに津軽の風景と感情がシンクロします。

音楽と景色が一体となる演出に、訪れる人の多くが感動を覚えるスポットです。


◆ 周辺観光地|津軽半島の文化と景色を楽しめる立ち寄りスポット


◆ アクセス方法|鉄道・バス・車での“最果てへの旅路”

竜飛岬はアクセスがやや難しい分、到達感の高い観光地です。

  • 鉄道+バス
     JR津軽線「三厩(みんまや)駅」下車 → 外ヶ浜町営バスで約30分「竜飛崎」下車
     ※本数少ないため時刻要確認
  • 車利用
     青森市から国道280号~339号を経由して約2時間
     五所川原市から約2時間半(龍泊ライン経由)
  • ツアーバス・観光タクシー
     青森市や弘前市からの観光バス・タクシープランもあり(要予約)

◆ 注意点|天候・風・交通事情にご注意を

  • 竜飛岬は風が非常に強いエリアです。帽子やスカートなど飛ばされやすい服装は注意。
  • 冬季は積雪・路面凍結があるため、車での訪問は冬用装備必須。
     また、階段国道など屋外施設は滑りやすくなるため、足元に注意。
  • 公共交通機関の本数が少ないため、事前の時刻確認と計画的な訪問が重要です。

◆ まとめ|本州最北の岬で、風に耳をすませる旅へ

竜飛岬は、観光地として整備されつつも、いまだに“最果て”の空気を色濃く残す特別な場所です。津軽海峡を渡る風、絶え間ない波音、灯台の白さ、そして「冬景色」の旋律。そこには観光地以上の“物語”があります。

津軽の自然と人の営み、歴史、そして音楽が融合したこの地を訪れれば、誰もが**“旅の原点”**に触れることになるでしょう。

📍 竜飛岬・観光情報まとめ

  • 所在地:青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜
  • 代表施設:竜飛崎灯台、階段国道、津軽海峡冬景色歌謡碑、道の駅みんまや、青函トンネル記念館
  • アクセス:三厩駅よりバスで約30分/青森市から車で約2時間
  • 見頃:通年(ベストシーズンは春~秋)
  • 注意点:強風・積雪・交通本数の少なさに注意