◆ 観光地概要|津軽海峡の“海の下”へ。巨大インフラの歴史と技術を巡る旅

青森県東津軽郡外ヶ浜町、津軽半島の最北端・竜飛崎に位置する「青函トンネル記念館」は、本州と北海道を結ぶ全長53.85kmの海底鉄道トンネル・青函トンネルの建設の歴史と技術を紹介する博物館です。

日本が誇る国家プロジェクトの裏側に迫ることができ、体験坑道(ケーブルカー)で海底下まで実際に降りられるという、全国でも珍しい体験型施設。大人から子どもまで楽しみながら学べる貴重な観光スポットです。


◆ 歴史|25年にわたる挑戦の結晶、世界最長級の海底トンネル

青函トンネルの建設は、戦後復興から高度経済成長期を背景に計画が進められ、1964年に調査開始、1971年に工事着工、1988年に開業という、実に四半世紀にもわたる国家的大事業でした。

津軽海峡という難所を相手に、のべ1,400万人の作業員と4,000億円以上の総事業費をかけて完成したそのスケールは圧巻。開業当初は鉄道連絡船に代わり旅客・貨物輸送の要となり、2016年には北海道新幹線の運行にも対応。まさに時代をつなぐ「海底の動脈」です。

記念館は、その偉業を次世代に伝える施設として、1991年に開館。開通当時の映像や使用機材、作業記録などが豊富に展示され、トンネル建設の舞台裏に迫ることができます。


◆ 見どころ|地上と海底、両方からトンネルのスケールを体感

◯ 展示ホール|写真・映像・資料で知る壮大な記録

館内には、トンネル建設の過程を記録した膨大な資料や映像、当時使用された掘削機械の実物展示が多数。掘削シールド、測量道具、防護服などリアルなアイテムが並び、子どもから大人まで楽しみながら学べます。

ジオラマやマルチスクリーンを活用した解説もあり、工事の複雑さや現場の様子が手に取るように分かります。


◯ 体験坑道ケーブルカー|地下140m、実際の作業坑道へ

記念館最大の目玉がこの「体験坑道」。地上からケーブルカーで約10分、海面下140メートル・全長778メートルの斜坑(スロープ)を下っていくという、スリル満点のツアーです。

トンネル建設当時のまま残された作業坑を歩きながら、現場の空気や音を体感。ガイド付きの案内で、リアルなエピソードや作業員の苦労などを学べる点が魅力です。

  • 体験坑道ツアー料金:大人1,200円/小人600円(入館料別)

◯ お得なセット券|全体を楽しむならこれ一択

  • 記念館入館料:大人400円/小人200円
  • 体験坑道セット料金:大人1,500円/小人750円
     ※障がい者手帳提示で入館料が半額

◆ 周辺観光地|竜飛岬と合わせて巡りたい見どころ満載

  • 竜飛崎灯台・展望台(車で5分)
     日本海と津軽海峡が交差する断崖の上に建つ白亜の灯台。天候が良ければ北海道を望めます。
  • 義経寺(車で5分)
     源義経が蝦夷地へ渡ったという伝説を持つ古刹。観音堂や円空仏が静かに佇みます。
  • 階段国道(車で3分)
     徒歩専用の国道339号線。全国唯一の“歩く国道”として観光名所に。
  • 道の駅みんまや「竜飛」
     地元の名物グルメやお土産、軽食が揃う便利な休憩スポット。イカ焼きが特に人気。

◆ アクセス方法|本州の“最果て”へ、車・電車・バスで

  • 所在地:青森県東津軽郡外ヶ浜町字三厩龍浜99
  • 電話番号:0174-38-2301
  • 営業時間:8:40~17:00(体験坑道の最終受付は要確認)
  • 休館日:冬季閉館あり(積雪により変更の場合あり)
  • 駐車場
     普通車:178台/大型車:10台/身障者用:2台(無料)
  • 鉄道+バス:JR津軽線「三厩駅」下車 → バス・タクシーで約10分
  • 車利用:青森市から国道280号線を北上 約2時間

◆ 注意点|安全・設備・季節による対応を事前確認

  • 冬季は施設が全面閉館となるため、営業期間は事前に公式サイトで確認を。
  • 坑道内は階段・段差・湿度が高めなので、歩きやすい靴での来館がおすすめ。
  • 車いす貸出、バリアフリートイレ、AEDなどユニバーサル設備も完備
  • ケーブルカー利用の体験坑道は、天候や整備により中止されることあり

◆ まとめ|海の底へ続く道、その先にある“人の力”と“技術の記憶”

青函トンネル記念館は、単なる博物館ではありません。ここは、海底という過酷な自然に挑み、時代をつないだ人々の「挑戦と誇り」を体感できる場所です。

体験坑道で実際に地下に降り、トンネルが完成するまでの試行錯誤と労苦を知れば、日本のインフラがいかに“人の力”で作られてきたかが伝わってきます。

津軽半島・竜飛の旅に、もう一つ深みを与えてくれる「海の下の記憶」。ぜひ一度、足を運んでみてください。

📍 施設情報まとめ

  • 名称:青函トンネル記念館
  • 住所:青森県東津軽郡外ヶ浜町字三厩龍浜99
  • 営業時間:8:40~17:00(冬期休業あり)
  • 料金
     - 入館料:大人400円/小人200円
     - 体験坑道乗車券:大人1,200円/小人600円
     - セット料金:大人1,500円/小人750円
  • アクセス:JR三厩駅からバス・車で約10分
  • 駐車場:無料(普通車178台・大型車10台)

公式サイト:http://seikan-tunnel-museum.jp/