観光地概要

秋田県鹿角市にある「尾去沢鉱山(おさりざわこうざん)」は、かつて日本有数の銅山として栄えた産業遺産で、現在は観光施設として公開されています。約1300年の歴史を持ち、古代から近代に至るまで銅を産出し続けた名鉱山であり、その規模は国内でもトップクラスでした。

現在は観光坑道が整備され、採掘跡を実際に歩いて見学できる貴重な施設となっています。坑道内では、江戸時代や明治時代の採掘方法を再現した人形展示、採掘現場の跡、近代的な採鉱機械などを見学でき、まるでタイムスリップしたかのような体験ができます。

【基本情報】

  • 営業時間:
    • 夏期(4月1日~10月31日)9:00~17:00
    • 冬期(11月1日~3月31日)9:00~15:30
  • 定休日:冬期のみ水曜日(年末年始・祝日は営業)
  • 駐車場:300台(無料)
  • 観光坑道見学料金(2025年4月1日以降適用):
    • 大人 1,200円(団体1,080円)
    • シニア(65歳以上) 1,100円(団体990円)
    • 中・高校生 900円(団体810円)
    • 小学生 700円(団体630円)
      ※2026年4月より一般公開終了

歴史

尾去沢鉱山の起源は奈良時代にまでさかのぼり、8世紀初頭には銅が産出されていたと記録されています。平安時代以降も操業が続き、特に江戸時代には南部藩の重要な収入源として発展しました。

明治時代に入ると、官営鉱山として近代化が進められ、西洋技術の導入によって日本を代表する銅山となります。その後、民間に払い下げられた後も操業は続き、最盛期には数千人が働く巨大な鉱山都市が形成されました。

しかし、資源枯渇や経済状況の変化により1978年に閉山。その後、坑道を観光用に整備し、鉱山遺産を保存しながら地域の観光資源として活用しています。


見どころ

観光坑道

約1.7kmの坑道を歩いて見学でき、江戸期から昭和期までの採掘の歴史を人形や模型で再現しています。坑道内は年間を通じて気温13℃前後と涼しく、夏の避暑にも最適です。

採掘の歴史展示

鉱山で使われた道具や機械、鉱石サンプルが展示され、鉱山労働の厳しさや技術の進歩を実感できます。

黄金伝説と鉱石展示

尾去沢鉱山は銅だけでなく金も産出したと伝えられ、金塊のレプリカ展示や鉱石の美しい標本を見学できます。

採掘体験・砂金採り

施設内では子どもから大人まで楽しめる砂金採り体験コーナーもあり、観光と学びを兼ね備えたアクティビティとして人気です。


周辺観光地

  • 大湯ストーンサークル館(鹿角市)
    世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つで、縄文時代の環状列石を学べる施設。
  • 小坂鉱山事務所・康楽館(小坂町)
    明治時代の産業遺産。豪華なルネサンス様式建築の事務所と、日本最古級の芝居小屋。
  • 小坂鉄道レールパーク
    廃線跡を活用した鉄道テーマパーク。観光トロッコや宿泊体験が人気。
  • 十和田湖
    車で約40分。自然景観と湖畔散策、遊覧船観光が楽しめる定番スポット。
  • 温泉地(大湯温泉・花輪温泉)
    車で30分圏内に温泉地が点在し、観光後の休憩に最適。

アクセス方法

  • 所在地
    秋田県鹿角市尾去沢字獅子沢13-5
  • 車利用
    東北自動車道「鹿角八幡平IC」から約10分。無料駐車場あり。
  • 公共交通機関
    JR花輪線「鹿角花輪駅」からバスで約15分、「尾去沢鉱山前」下車。
  • 飛行機利用
    大館能代空港から車で約1時間30分。青森空港からは約1時間40分。

注意点

  • 坑道内は年間を通じて約13℃と涼しいため、夏場でも羽織物を持参するのがおすすめです。
  • 冬期は営業時間が短くなり、水曜日が定休となるため注意が必要です。
  • 坑道内は一部足元が滑りやすいため、歩きやすい靴での見学が望ましいです。
  • 観光シーズンは駐車場が混雑するため、早めの到着がおすすめです。

まとめ

尾去沢鉱山は、日本の鉱山史を物語る貴重な産業遺産であり、1300年にわたる歴史と文化を体感できる観光スポットです。観光坑道では、時代ごとの採掘方法を再現した展示を間近に見られ、歴史とスケールの大きさを実感できます。

さらに、砂金採り体験や周辺の温泉地・世界遺産観光と組み合わせることで、一日を通して充実した観光を楽しむことができます。秋田県北部を訪れる際には、ぜひ尾去沢鉱山を訪れ、日本の鉱山遺産の魅力に触れてみてください。