青森県八戸市の中心街、三日町に位置する「八戸ポータルミュージアム はっち」は、地域文化や観光情報の発信を軸に、アート・クラフト・伝統芸能・子育て支援など、多彩な交流と学びの拠点として機能するユニークな施設です。
まち歩きの起点としてだけでなく、地元住民と観光客が自然に交わる「まちの縁側」のような存在であるはっち。今回はその観光地としての魅力や見どころ、歴史、アクセス方法まで詳しく紹介していきます。
観光地概要:まちの文化と観光をつなぐ“創造的公共空間”
「八戸ポータルミュージアム はっち」は、八戸市が運営する公共文化施設として2011年に開館しました。その目的は「市民と観光客の交流を通じて地域の文化や情報を発信すること」。建物は地下1階・地上5階建てで、ギャラリー、ホール、工房、スタジオ、ショップ、こども施設など、多様な用途に対応する空間が用意されています。
建物全体が**“まちとつながる”仕掛けにあふれており、館内には誰でも自由に入れるフリースペースが多く設けられている**のも特徴です。地元のアーティストや職人の作品に触れたり、ワークショップに参加したり、観光案内所でまちの情報を得たり――。使い方は訪れる人次第です。
歴史:市民がつくる新たな観光・文化のかたち
かつて八戸の中心商業地だった三日町エリアは、時代と共に人の流れが郊外に移り、中心市街地の活性化が課題とされていました。そんななか、市民参加型で進められたまちづくりの中核施設として「はっち」が誕生。単なる情報発信施設ではなく、「使いながら学び、つながる場」として設計されました。
開館から10年以上が経った現在、はっちは八戸市の“文化の交差点”として多くの人々に親しまれています。特にイベント時には地元の手しごとや食、音楽、伝統芸能が館内に集まり、まち全体を巻き込んだにぎわいを生んでいます。
見どころ:訪れるたびに新しい出会いがある「はっち」
■ 観光インフォメーション(1階)
観光客にとっての第一の寄り所。「八戸観光コンベンション協会」の案内カウンターがあり、市内観光の最新情報、パンフレット、地図などを入手可能。スタッフによる丁寧な対応も好評です。
■ 地元クリエイターによる常設店舗(1階~2階)
館内には、南部裂織、陶芸、木工、和雑貨、地酒、青森ひば製品など、地元のクラフトや商品を扱うショップが並びます。制作実演や体験コーナーもあるため、お土産探しや旅の記念にぴったり。
■ はっちひろば(1階)
誰でも自由に休憩できるオープンスペース。アート展示やパフォーマンスが随時開催されており、何気なく訪れたときに“偶然の文化体験”が楽しめるのも魅力です。
■ ギャラリー・展示室(2階~3階)
地元の芸術家や学生による展示、写真展、企画展などが常時開催。アートやデザインに興味がある方におすすめです。
■ こどもはっち(4階)
小さな子どもを連れた家族向けの子育て支援スペース。屋内遊具や絵本コーナー、授乳室などが整っており、地元住民と観光客の親子が自然とふれあえる場所です。
■ イベント(随時)
「はっち市」「南部菱刺し展」「音楽ライブ」「手しごと市」など、季節ごとに多彩なイベントを開催。開催情報は公式サイトをチェック。
周辺観光地:徒歩圏で八戸の魅力を体感
■ 八戸屋台村みろく横丁(徒歩5分)
夜の八戸観光にぴったり。地元の料理人たちが小さな屋台に集まり、八戸せんべい汁やホタテ、地酒を味わえる人気スポット。
■ 八戸ブックセンター(徒歩7分)
全国でも珍しい“本をテーマにした公共施設”。書店・展示・イベントを通じて、「読む文化」に出会える場所です。
■ 長横町・三日町ショッピングストリート
昭和の香りが残る商店街。喫茶店、レコード店、古本屋、洋品店などが点在し、ぶらり散策にも最適。
アクセス方法
■ 所在地
〒031-0032 青森県八戸市三日町11-1
TEL:0178-22-8228
■ 公共交通
- 【バス】JR八戸駅東口より「中心街ターミナル(八日町)」下車すぐ(所要約25分)
- 【鉄道】JR八戸線「本八戸駅」から徒歩約10分
■ 車利用
- 八戸駅から車で約20分
- 三沢空港からシャトルバスで約55分
- 八戸港フェリーターミナルから車で約15分
■ 駐車場
専用駐車場なし。周辺コインパーキングを利用。
※貸出施設利用者は、番町スクエア駐車場を一時的に利用可能
注意点・利用ガイド
- 休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)・12月31日・1月1日
- イベントによって臨時休館・営業時間変更があるため、事前に公式サイトで確認がおすすめです。
- 館内はバリアフリー構造、エレベーター・授乳室・多目的トイレあり。
- 各テナントの営業時間は個別に異なります。
まとめ:訪れるたびに変化と出会いがある“まちのミュージアム”
八戸ポータルミュージアム「はっち」は、単なる観光案内所でも、博物館でもありません。ここは人・文化・地域が交差し、つながりを生み出す“参加型の空間”です。訪れるタイミングによって出会う展示やイベントが変わるからこそ、リピーターも多く、何度来ても新しい発見があります。
観光客にとっては八戸観光のスタート地点、地元の人々にとっては日常の中の特別な場所。そんな“まちの中の文化の縁側”を、ぜひ一度体験してみてください。