◆ 観光地概要|海と空と風を駆ける、津軽半島屈指の絶景ドライブルート

青森県の津軽半島北部に位置する「龍泊ライン(たつどまりライン)」は、外ヶ浜町の竜飛岬から中泊町の小泊地区までを結ぶ、全長約20kmの海岸道路です。日本海の断崖絶壁を縫うように走るこのルートは、津軽海峡の大海原と雄大な山々を望む絶景の連続で、「東北随一のシーサイドロード」と称されることもあります。

観光シーズンにはライダーやドライバーが全国から訪れるツーリング・ドライブの名所であり、途中にある眺瞰台(ちょうかんだい)や権現崎展望台では、心を奪われるようなパノラマが広がります。


◆ 歴史|海と共に生きた人々の道が、観光の名所へ

もともと龍泊ラインが通る地域は、かつては陸路が整備されておらず、集落間の往来は舟に頼る生活が続いていました。そんな中で、この道路は中泊町と外ヶ浜町を海沿いに結ぶ唯一の山岳ルートとして整備され、昭和50年代から60年代にかけて段階的に開通。

特に1980年代以降、「竜飛崎~小泊間の観光振興」を目的に整備が進められ、現在では四季を通じて観光客を迎える風光明媚な絶景街道として定着しました。道路そのものが観光資源として注目されるようになったのは、このルートの地形の劇的さと海峡の透明度、風景のダイナミズムにあります。


◆ 見どころ|走るだけで感動!全線がフォトスポットの絶景ロード

◯ 眺瞰台(ちょうかんだい)|津軽海峡・竜飛岬・北海道まで一望!

龍泊ラインの中間点に位置する標高約260mの展望台で、海峡を見渡す絶好の撮影スポットです。晴れた日には、竜飛崎・北海道・十三湖方面まで望むことができ、“龍が飛ぶような稜線”を楽しめます。

駐車場やベンチも整備されており、旅の小休止にも最適です。


◯ 権現崎展望台|断崖絶壁と海原の迫力に圧倒される

小泊側に位置する権現崎(ごんげんざき)は、日本海に突き出した岩場にある小さな展望台。眼下に広がる荒波と奇岩が織りなす“津軽の荒々しい自然美”が感じられる穴場的スポットです。

特に夕暮れ時は、空と海が赤く染まり、神秘的な雰囲気に包まれます。


◯ 走行中の車窓|すべてがドラマチックな海沿いの道

道路そのものも見どころの連続。断崖のすぐ横を走る場所や、つづら折りの坂道から突然現れる水平線など、走行中も目が離せません。

各所にパーキングスペースや撮影ポイントが設置されており、車・バイク・自転車、どんな手段でも景色が楽しめる構成となっています。


◆ 周辺観光地|津軽の歴史と文化に触れる名所めぐりも

  • 竜飛岬灯台・展望台(外ヶ浜町)
     本州最北端の岬に立つ白亜の灯台。北海道まで見える展望は必見。
  • 青函トンネル記念館(外ヶ浜町)
     海底トンネルの歴史を学び、体験坑道に降りる貴重な体験ができる。
  • 義経寺(外ヶ浜町)
     源義経が蝦夷地へ渡った伝説が残る霊場。円空仏や観音堂が見どころ。
  • 中泊町博物館(中泊町)
     縄文・中世からの歴史を学べる資料館。津軽の郷土文化に触れられる。
  • 小泊漁港と鮮魚直売所(中泊町)
     新鮮なホタテやイカが購入可能。漁師町の素朴な魅力が残る港町。

◆ アクセス方法|アクセスの難しさも“秘境感”の魅力

龍泊ラインは、マイカー・レンタカー・ツーリングなどでの利用が基本です。公共交通は限られているため、周遊型観光には自家用移動手段が必要です。

  • 起点1(外ヶ浜町・竜飛岬側):青森市から国道280号・339号を北上 約2時間
  • 起点2(中泊町・小泊側):五所川原市から国道339号経由 約1時間30分
  • 最寄駅:JR津軽線「三厩駅」(竜飛側)、津軽鉄道「中里駅」(中泊側)
  • 駐車場:展望台・観光ポイントに無料駐車場あり(季節により混雑)

◆ 注意点|自然が相手、事前準備で安全な絶景ドライブを

  • 龍泊ラインは冬季(11月下旬〜4月下旬)は全面通行止めとなります。必ず通行可能期間を確認してください。
  • カーブや勾配が多く、見通しの悪い箇所が点在。スピードの出しすぎに注意
  • バイク・自転車での走行は、風の強い日や霧の発生に注意が必要です。
  • ガソリンスタンドは付近に少ないため、燃料の確認と補給を事前に済ませておきましょう。

◆ まとめ|海と空の間を駆け抜ける、記憶に残る一本道

龍泊ラインは、ただの道路ではありません。それは津軽半島の自然・歴史・文化を肌で感じながら、海と山を縫って走る“風景の旅”そのものです。

刻々と変わる光と空の色、眼下に広がる海峡、崖の上の展望台――すべてが感動の連続であり、きっと旅のハイライトとなるでしょう。

津軽の最果てを、風とともに駆け抜けてみませんか? ドライバーも、ライダーも、歩く人も、誰もが心を揺さぶられる特別な一本道が、ここにあります。

📍 龍泊ライン 基本情報まとめ

  • 区間:外ヶ浜町(竜飛岬)~中泊町(小泊) 約20km
  • 路線名:青森県道14号、国道339号の一部
  • 主な見どころ:眺瞰台・権現崎展望台・竜飛崎灯台・青函トンネル記念館など
  • 通行可能期間:4月下旬~11月下旬(冬季通行止)
  • 利用手段:車・バイク・自転車向け(公共交通機関は非推奨)