◆ 観光地概要|津軽平野に現れる“朱の迷宮”と神秘の神域

青森県つがる市の静かな田園地帯に佇む髙山稲荷神社(たかやまいなりじんじゃ)は、全国でも珍しい“千本鳥居”の参道で知られる、津軽屈指のパワースポットです。まるで京都・伏見稲荷大社を彷彿とさせる壮観な景観が広がり、東北を代表するフォトジェニックな神社としてSNSでも話題に。

境内には、稲荷大神だけでなく古くからの神々が祀られており、霊験あらたか・商売繁盛・家内安全・交通安全・五穀豊穣など多岐にわたるご利益があるとされています。

四季折々で趣を変える景観も魅力で、特に紅葉シーズンや雪化粧の季節には、多くの参拝客や写真愛好家が訪れる場所となっています。


◆ 歴史|豪族の祈願所から稲荷信仰の聖地へと歩んだ長い道のり

髙山稲荷神社の創建時期は明らかではありませんが、鎌倉から室町時代にかけて当地を治めていた安藤氏による創建と伝えられています。

江戸時代以前、この地は「三王坊山(さんのうぼうやま)」と呼ばれ、山王日吉神社を中心とした十三宗寺の霊場がありました。しかし1443年(嘉吉3年)頃、南部勢の焼き討ちにより焼失。その際、山王大神が黄金の光を放ち、高山の霊地へ降り立ったという伝説が残っています。

また江戸時代の伝承によると、元禄14年(1701年)、赤穂浪士のひとり寺坂三五郎が稲荷大神の御霊代を奉じて津軽へ逃れたとされ、その後、彼の子孫がこの地に神を祀ったのが稲荷神社の起源とされています。

現在の髙山稲荷神社は、これら古代の霊地と江戸期の稲荷信仰が融合した神社として、人々の信仰を集め続けています。


◆ 見どころ|“千本鳥居”が織りなす異界への回廊と自然の調和

◯ 圧巻の千本鳥居と“朱の迷宮”

髙山稲荷神社最大の見どころは、小高い山の斜面に延々と続く“千本鳥居”。朱塗りの鳥居が複雑に折れ曲がりながら山道を縫う様子は、まさに“神域へ導かれる回廊”。鳥居をくぐりながら歩くその時間は、現実世界から少しずつ離れていくような不思議な感覚を呼び起こします。

季節によって風景は大きく変化し、春の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、どの時期も絵になるスポットとして人気です。

◯ 本殿・神楽殿・稲荷社群

参道を抜けた先には、立派な本殿と複数の末社が広がります。商売繁盛・五穀豊穣を祈願する人々が日々参拝に訪れており、日常の厄を祓い、心願成就を祈るには最適な神域です。

特に本殿近くの「願掛け石」や、狐像が並ぶ稲荷社群は神秘的な空間を演出し、訪れる者を圧倒します。


◆ 周辺観光地|津軽の自然と歴史に触れる癒しの旅コース

◯ ベンセ湿原(車で約10分)

初夏にはニッコウキスゲが咲き乱れる広大な湿原地帯。雄大な岩木山を背景に自然を満喫できます。

◯ 芦野公園(車で約30分)

太宰治ゆかりの桜名所。津軽鉄道の列車が桜並木の中を走る姿が印象的な、文学と自然が融合するスポット。

◯ 木造駅(車で約20分)

“遮光器土偶”の巨大モニュメントが駅舎に立つ珍スポット。フォトスポットとしても人気です。


◆ アクセス方法|静かな山あいに現れる“朱の聖地”へ

  • 所在地:青森県つがる市牛潟町鷲野沢147-1
  • 電話番号:0173-56-2015(社務所)
  • 公式サイトhttps://takayamainari.jp
  • 参拝自由・年中無休/駐車場あり(無料)

◯ 車でのアクセス

  • JR五所川原駅から約30分(国道101号・県道経由)
  • 東北自動車道「浪岡IC」より約1時間

◯ 公共交通機関

  • 津軽鉄道「木造駅」または「五所川原駅」からタクシー利用が現実的
  • 最寄バス停は少なく、車・レンタカー利用がおすすめ

◆ 注意点|静かな山道に溶け込む神社ならではのポイント

  • 参道の階段や山道はやや急勾配で、滑りやすい箇所あり。歩きやすい靴での参拝がおすすめ。
  • 周辺には売店が少ないため、飲み物や軽食は持参すると安心。
  • 鳥居周辺は写真撮影客で混雑する時間帯もあるため、早朝や平日が狙い目
  • 冬季は積雪による通行規制や閉鎖エリアがある可能性あり。事前に公式サイトで確認を。

◆ まとめ|静寂と朱色に包まれる“心の参拝路”で、願いを結ぶひととき

髙山稲荷神社は、青森・津軽の大地に根付いた**歴史と信仰、そして自然美が融合する“祈りの場所”**です。千本鳥居の連なりを歩くうちに、心が澄んでいくような感覚に包まれる――そんな体験が、ここでは日常的に訪れた人々に起こります。

津軽の風土に根ざした霊地で、ただの観光ではない“精神の旅”をしてみませんか? あなたの願いを、きっとこの地がそっと受け止めてくれるはずです。

📌 施設情報まとめ

  • 名称:髙山稲荷神社(たかやまいなりじんじゃ)
  • 住所:青森県つがる市牛潟町鷲野沢147-1
  • 電話番号:0173-56-2015
  • 拝観時間:年中無休・自由参拝
  • アクセス:車でJR五所川原駅から約30分
  • 駐車場:あり(無料)
  • 公式サイトhttps://takayamainari.jp