岩手県北部に位置する二戸(にのへ)エリアは、奥州南部氏の城下町として栄えた歴史と、北上山地・馬仙峡などの豊かな自然に彩られた文化・自然融合型の観光地です。新幹線駅を擁する交通の要所でありながら、手つかずの自然と温かな地域文化が残るこの地域は、“静かな東北”を感じたい旅行者にぴったりのスポットとして注目されています。
また、半径60km圏内には、安比高原や久慈、軽米、八幡平、青森県南部など多彩な観光地が点在し、1泊2日からの周遊にも最適です。
■ 観光地概要|静けさと文化の調和が息づく街・二戸
二戸市は、岩手県最北端に位置する人口約2万人の地方都市で、IGRいわて銀河鉄道とJR東北新幹線が接続する「二戸駅」を中心に発展しています。南部鉄器や南部せんべいの文化をはじめ、歴史・食・自然・体験が揃う「ミニマム東北」のような魅力が詰まっています。
- 所在エリア:岩手県二戸市および周辺市町村(軽米町、九戸村、一戸町など)
- 標高:市街地は約130m、周辺山岳部で500〜900m
- 観光タイプ:歴史散策・自然探訪・郷土文化体験・温泉
■ 歴史|南部藩の始まりの地としての深いルーツ
二戸は、かつて東北を代表する武家・南部氏の発祥の地とされる場所です。鎌倉時代にこの地に拠点を構えた南部氏は、のちに盛岡藩を築き、二戸はその精神的な源流となりました。
市内には、南部氏にまつわる史跡や伝承が多く残っており、九戸政実の乱で知られる「九戸城跡」は国指定史跡にもなっています。武家の美学と激動の歴史に触れることで、単なる田園都市にとどまらない“歴史の厚み”を感じられるはずです。
■ 見どころ|自然・歴史・食が融合したおすすめスポット
● 馬仙峡(ばせんきょう)
高さ200m級の断崖が連なる渓谷で、馬渕川がV字谷を形成する絶景スポット。奇岩「男神岩・女神岩」の伝説も残る神秘的な空間で、春は桜、秋は紅葉の名所として人気です。
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● 二戸市シビックセンター
歴史展示と多目的ホールが融合した文化拠点。南部氏ゆかりの資料展示や郷土史の解説があり、旅の知的な入口におすすめ。
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● カシオペアメッセ・なにゃーと(二戸駅直結)
観光案内所と物産館が融合した施設。南部せんべい、短角牛の加工品、地酒などが購入可能。軽食スペースでは「南部せんべい汁」も楽しめます。
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● 金田一温泉郷
「座敷わらし伝説」が残る静かな温泉地で、趣ある旅館と地元食材の料理が魅力。静養・家族連れ・女子旅にも好適。
■ 周辺観光地(半径60km以内)|一緒に巡りたい東北北部の名所
● 安比高原(車で約50分・八幡平市)
東北を代表するリゾートエリア。スキー、ゴルフ、温泉のほか、高原の花畑やアクティビティも充実。
● 久慈市(車で約60分)
NHKドラマ『あまちゃん』の舞台として有名。海女センターや小袖海岸、もぐらんぴあ水族館など観光施設が充実。
● 軽米町・雪谷川ダムフォリストパーク(車で約30分)
春のチューリップ畑と秋のコスモスが名物。自然と花をテーマにした親子向けの観光地。
● 三戸城跡公園(青森県三戸町・車で40分)
南部氏の本拠地・三戸城跡を整備した史跡公園。春の桜が特に美しく、歴史ファンと花見客の両方におすすめ。
■ アクセス方法|新幹線での玄関口+ローカルドライブが基本
【鉄道】
- JR東北新幹線「二戸駅」下車(盛岡から約30分)
- 盛岡・八戸方面からのアクセスが良好。駅直結の観光案内所あり。
【車・高速道路】
- 八戸自動車道「一戸IC」から約20分/「二戸IC」から市内各地へアクセス良好
- 東北道や青森県南からのドライブ旅にも適した位置。
【レンタカー利用推奨】
- 地域内の観光は車が便利。冬季はスタッドレスタイヤ必須。
■ 注意点|季節・地理・交通に要注意
- 冬季(12月〜3月)は積雪・路面凍結あり。防寒装備と時間に余裕を。
- 一部観光地は公共交通機関の本数が少ないため、事前の時刻確認とレンタカー利用推奨。
- 山間部の飲食店・商業施設は早じまいが多いため、夕方以降の予定は慎重に立てると安心です。
■ まとめ|“東北らしさ”の凝縮地・二戸エリアで、静けさと文化に癒やされる旅を
岩手県北部に位置する二戸エリアは、観光地化されすぎていない「素の東北」が残る魅力的な地域です。歴史を感じさせる町並みと、地元の人々のあたたかさ、雄大な自然景観が一体となって、旅人に静かで豊かな時間を提供してくれます。
また、東北新幹線でのアクセスも良好で、盛岡・八戸・安比高原などとの周遊旅行にも理想的。グルメ・温泉・歴史・自然、それぞれの旅の目的を満たしてくれる、“東北旅の玄関口”として、ぜひ一度訪れてみてください。