歴史|岩手の美術文化を未来へ伝える拠点として
岩手県立美術館は、2001年10月に盛岡市本宮に開館した県立の総合美術館です。岩手県の芸術文化の発信拠点として誕生し、地域ゆかりの作家から現代アートに至るまで、幅広い芸術作品の収集・保存・展示を行ってきました。
特に注目すべきは、岩手が誇る洋画家松本俊介、舟越保武、舟越桂らの作品群。彼らの業績を通じて、岩手の風土と人間性がいかに表現されてきたかを深く学ぶことができます。また、開館以来、子どもや高齢者、障がいのある方にも配慮した施設運営がなされ、アートを「すべての人に開かれた文化」として位置づけています。
見どころ|常設・企画展と芸術空間としての魅力
● コレクション展(常設展示)
館内の常設展では、岩手ゆかりの作家の代表作を常時展示しています。松本俊介の繊細な筆致や、舟越保武による彫刻作品は特に評価が高く、鑑賞者に強い印象を残します。館内は静謐で明るく、作品一つひとつとじっくり向き合える構成です。
● 企画展・特別展
年に数回開催される企画展では、国内外の著名な画家・彫刻家・写真家による作品展が企画され、多くの来場者を魅了します。過去には「ミレーとバルビゾン派展」「ピカソとその時代」など、全国レベルの企画が実現しています。
● アートワークショップ・講演会
子ども向けの造形教室から、美術史の講演、作家によるギャラリートークまで、幅広い年齢層に向けた教育普及活動も行われています。地域住民とアートをつなぐ体験型イベントも見逃せません。
● 建築と空間美
設計は著名建築家・仙田満氏によるもので、自然光がたっぷりと入る吹き抜けの空間、開放的なロビーや中庭などが訪れる人に心地よい静けさを与えてくれます。館内にはおしゃれなカフェも併設され、アート鑑賞後のひとときをゆったりと過ごせます。
周辺観光地|盛岡市南部の観光拠点としても最適
- 盛岡南公園・盛岡タカヤアリーナ(徒歩5分):緑豊かな公園と、イベントが開催されるアリーナ。
- イオンモール盛岡南(車で約10分):ショッピングや食事に便利な大型商業施設。
- 盛岡城跡公園(岩手公園)(車で約15分):歴史ある城跡と桜の名所として知られる憩いの空間。
アクセス方法|公共交通・自家用車どちらでも便利
● 所在地:
〒020-0866 岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
TEL:019-658-1711
● 公共交通機関利用の場合:
・JR「盛岡駅」西口から岩手県交通バス「盛南ループ200」利用、「県立美術館前」下車すぐ
・盛岡駅からタクシーで約10分
● 自家用車利用の場合:
・東北自動車道「盛岡IC」から約15分
・無料駐車場(普通車100台、バス対応可)を完備しており、観光バスでの団体来館にも対応可能
注意点|開館日と入館時間に要注意
- 開館時間: 9:30~18:00(入館は17:30まで)
- 休館日: 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月2日)
- 企画展開催時は混雑することがあるため、早めの来場をおすすめします。
- 団体で訪れる場合は、事前予約または問合せを推奨。
まとめ|アートと静寂に浸る時間を盛岡で
岩手県立美術館は、地元岩手の文化的アイデンティティを発信しつつ、国内外のアートに触れる機会を提供する貴重な文化施設です。観光ルートの一部としてはもちろん、芸術にゆっくりと触れたい人にとっても最適な空間。四季折々に変わる展示と景観が、訪れるたびに新しい発見をもたらしてくれるでしょう。盛岡を訪れた際には、ぜひ立ち寄りたいスポットの一つです。