観光地概要

秋田県鹿角郡小坂町にある「康楽館(こうらくかん)」は、明治時代に建てられた現存する日本最古級の芝居小屋です。木造のレトロな建築がそのまま残され、現在も芝居や歌舞伎、演劇が上演されている全国的にも貴重な文化施設です。

所在地は秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字松ノ下2番地。年末年始を除き通年で公開されており、演目がない日でも館内見学が可能です。ガイド付きの館内ツアーでは、回り舞台や奈落、花道など、舞台裏の仕掛けを間近で見学でき、芝居文化の魅力を深く体感できます。

【基本情報】

  • 所在地:〒017-0202 秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字松ノ下2番地
  • 電話番号:0186-29-3732
  • FAX:0186-29-3219
  • 休館日:年末年始

歴史

康楽館は1910年(明治43年)、当時日本有数の銅山として栄えた小坂鉱山の従業員や町民の娯楽施設として建設されました。鉱山の繁栄が文化の発展をも支え、芝居小屋としての役割を果たしました。

建築様式は和洋折衷で、西洋の劇場を参考にしつつ、日本の伝統的な芝居小屋の要素を組み合わせた独特のデザイン。戦前戦後を通じて多くの芝居や演劇が上演され、地域住民に愛され続けてきました。

一時期は老朽化により取り壊しの危機に直面しましたが、保存運動が実を結び、平成初期に修復工事が行われました。現在は国の重要文化財に指定され、歴史的価値を持つ建築物として後世に引き継がれています。


見どころ

回り舞台と奈落

康楽館の最大の特徴は、現役で使われている「回り舞台」や「奈落(舞台下)」です。これらは江戸時代から続く芝居小屋の伝統的な仕掛けで、実際に稼働する様子を間近に見学できます。

花道

観客席の間を通る花道は役者と観客を近づける仕掛け。現代の劇場には少ない独特の臨場感が味わえます。

芝居・歌舞伎の公演

定期的に歌舞伎や新作演劇、舞踊などの公演が行われています。歴史ある空間で生の芝居を鑑賞する体験は格別です。

建物そのものの魅力

木造の二階建てで、外観は白壁と格子窓が美しく、館内には当時の面影が残る装飾や木組みが施されています。写真撮影スポットとしても人気です。


周辺観光地

康楽館を訪れる際には、周辺の観光スポットもあわせて巡るのがおすすめです。

  • 小坂鉱山事務所
    同じ小坂町にある重要文化財で、明治期のルネサンス様式建築。館内にはレストランも併設されています。
  • 小坂鉄道レールパーク
    廃線跡を活用した鉄道テーマパークで、トロッコやレールバイクが楽しめます。
  • 十和田湖
    車で約40分、美しい湖畔散策や遊覧船観光が楽しめる自然観光地。
  • 大湯環状列石
    縄文時代のストーンサークルで、史跡公園として整備されている貴重な文化遺産です。

アクセス方法

  • 所在地
    秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字松ノ下2番地
  • 車利用
    東北自動車道「小坂IC」から約10分。無料駐車場あり。
  • 公共交通機関
    JR花輪線「十和田南駅」から秋北バスに乗り約40分、「康楽館前」下車すぐ。
  • 飛行機利用
    大館能代空港から車で約1時間20分。青森空港や秋田空港からのアクセスも可能です。

注意点

  • 芝居の公演やイベントは日程が限られているため、公式サイトや観光案内で事前に確認する必要があります。
  • 館内は文化財のため、一部エリアでの写真撮影が制限されている場合があります。
  • 冬季は積雪が多く、車で訪れる際は必ず冬用装備が必要です。
  • 公共交通機関を利用する場合、バスの本数が少ないため、時間を確認してから訪れると安心です。

まとめ

康楽館は、明治時代の芝居文化を今に伝える貴重な木造芝居小屋であり、芝居や歌舞伎を現役で楽しめる全国的にも珍しい文化施設です。回り舞台や奈落といった伝統的な仕掛けを間近に体験でき、演劇鑑賞だけでなく館内見学そのものが観光の大きな魅力となっています。

小坂鉱山事務所や小坂鉄道レールパーク、十和田湖など周辺観光地とあわせれば、一日を通して充実した旅が可能です。秋田県北部を訪れる際には、ぜひ康楽館に立ち寄り、明治の息吹と芝居文化の魅力を体感してみてください。