観光地概要
秋田県鹿角郡小坂町にある「小坂鉱山事務所」は、明治時代に建てられたルネサンス風の洋風建築で、国の重要文化財にも指定されている歴史的建造物です。かつて日本有数の鉱山都市として繁栄した小坂の中心施設であり、現在は観光スポットとして一般公開されています。
事務所内には当時の帳場や応接室、会議室などが復元され、鉱山で働く人々の暮らしや文化を感じ取れる展示が充実。また、館内のレストラン「昔の洋食屋さん」では、往時の藤田倶楽部を思わせるレトロな雰囲気の中で洋食メニューを楽しむことができます。
【基本情報】
- 所在地:〒017-0202 秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古館48-2
- 電話番号:0186-29-5522
- FAX:0186-29-5526
- 休館日:年末年始
- レストラン営業時間:10:00~16:00(食事11:00~14:30)
- 定休日:なし(冬期休業あり:11月中旬~4月中旬)
- レストランTEL:0186-29-4247
歴史
小坂鉱山は、かつて日本最大級の鉱山のひとつとして知られ、銅や亜鉛の採掘で大いに栄えました。その中心的な役割を担ったのが1905年(明治38年)に建設された「小坂鉱山事務所」です。
当時は藤田組(後のDOWAホールディングス)の拠点として使用され、国内外からの賓客を迎える迎賓館的な役割も果たしました。豪華な洋風建築は、鉱山の繁栄と町の発展を象徴する存在でした。
その後、鉱山の衰退とともに事務所としての役割を終えましたが、保存運動が進められ、平成9年(1997年)に国の重要文化財に指定。現在は修復・保存され、観光施設として公開されています。
見どころ
館内展示
事務所内では、帳場や会議室、応接室などが当時のまま復元されており、鉱山経営の拠点としての重厚感を体感できます。木製の調度品や豪華な内装は、明治の面影をそのまま伝えています。
洋風建築の外観
白壁に赤い屋根が映えるルネサンス様式の外観は、観光客の撮影スポットとして人気です。特に正面玄関のデザインや装飾は、当時の西洋建築技術の粋を感じさせます。
レストラン「昔の洋食屋さん」
館内にあるレストランでは、オムライスやナポリタンなど、どこか懐かしい洋食メニューを味わえます。藤田倶楽部の雰囲気を再現したレトロ空間での食事は、観光の楽しみのひとつです。
夜間ライトアップ(イベント時)
期間限定で行われるライトアップイベントでは、幻想的に照らされた建物を楽しむことができます。昼間とは違った雰囲気を味わえるため、開催時期を狙って訪れるのもおすすめです。
周辺観光地
- 康楽館
現存する日本最古級の芝居小屋で、実際に歌舞伎や演劇が上演される文化施設。小坂鉱山事務所から徒歩圏内です。 - 小坂鉄道レールパーク
廃線となった小坂鉄道を活用したテーマパークで、トロッコ列車や車両展示が楽しめます。 - 十和田湖
車で約40分。青森県との県境に位置する美しい湖で、遊覧船や湖畔散策が人気。 - 大湯環状列石
世界遺産候補にもなった縄文時代の遺跡で、史跡公園として整備されています。
アクセス方法
- 車利用
東北自動車道「小坂IC」から車で約10分。無料駐車場あり。 - 公共交通機関
JR花輪線「十和田南駅」から秋北バスに乗り、「小坂鉱山事務所前」で下車。所要時間は約40分。 - 飛行機利用
大館能代空港から車で約1時間20分。青森空港や秋田空港からもアクセス可能です。
注意点
- レストランは冬期(11月中旬~4月中旬)に休業するため、訪問時期には注意が必要です。
- 館内は文化財保護のため、展示物や調度品に触れることはできません。
- イベントやライトアップは不定期開催のため、事前に公式情報を確認して訪れると安心です。
- 公共交通利用の場合はバスの本数が限られるため、時刻表を事前にチェックしておくと良いでしょう。
まとめ
小坂鉱山事務所は、明治時代の鉱山都市の繁栄を今に伝える貴重な文化遺産です。豪華な洋風建築と館内展示は、当時の産業と文化の豊かさを物語っています。さらに、館内レストラン「昔の洋食屋さん」で楽しめるレトロな洋食体験は、観光の大きな魅力です。
康楽館や小坂鉄道レールパーク、十和田湖など周辺観光地も充実しており、小坂町は一日を通して楽しめる観光拠点となっています。歴史や建築、美食を一度に味わえる「小坂鉱山事務所」を訪れ、明治の息吹を体感してみてはいかがでしょうか。