北海道東部、釧路湿原の北側に位置する鶴居村(つるいむら)は、タンチョウの里として知られる美しい自然に囲まれた静かな村です。この地に湧く「鶴居温泉」は、知る人ぞ知る良泉として、地元の人々や温泉ファンに長年親しまれています。手つかずの自然と澄んだ空気の中、心ゆくまで湯に浸かる時間は、都市の喧騒を忘れさせてくれることでしょう。
今回は、そんな鶴居温泉の魅力を「温泉地概要」「歴史」「泉質と効能」「日帰り温泉施設」「周辺観光地」「アクセス方法」に分けて、詳しくご紹介します。
温泉地概要|自然と共生する村の湯処
鶴居温泉は、北海道釧路総合振興局に属する鶴居村に位置し、村内唯一の温泉地です。標高100メートルほどのなだらかな丘陵地帯にあり、広々とした牧草地や釧路湿原に囲まれた自然豊かな立地が特徴です。
温泉地としては大規模ではありませんが、その分静かで落ち着いた雰囲気が魅力で、リピーターも多く訪れます。宿泊施設としては「ホテルTAITO」「グリーンパークつるい」が代表的で、いずれも温泉を利用した客室や浴場を備えています。
歴史|鶴とともにある村、湯治の文化も息づく
鶴居村はその名の通り、国の特別天然記念物である「タンチョウ(丹頂鶴)」が越冬・繁殖する地として有名です。温泉の開湯時期は明確には記録されていないものの、1970年代頃から周辺の農業従事者や地元住民による湯治目的の利用が広がり、施設の整備が進められてきました。
観光地化された大型温泉地とは異なり、今も地元密着型の温泉文化が残る数少ない地域です。観光よりも“体と心のメンテナンス”を重視する人々にとって、まさに穴場の湯処といえるでしょう。
泉質と効能|ナトリウム・塩化物泉の保温力が自慢
鶴居温泉の泉質は、以下のとおりです。
- 泉質:ナトリウム-塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
- 泉温:約54〜60℃
- 色・香り:やや茶褐色または透明、微かな鉄の香りあり
- pH:約8.1
主な効能:
- 冷え性、神経痛、腰痛、筋肉痛
- 慢性皮膚病、慢性婦人病
- 疲労回復、健康増進
- 乾燥肌・敏感肌の保湿
ナトリウム・塩化物泉は「熱の湯」とも呼ばれ、入浴後も湯冷めしにくいのが特徴。とくに冬の寒さが厳しい道東地域では、地元の人にとっても頼れる存在です。
日帰り温泉施設|グリーンパークつるいで気軽に極上の湯を
鶴居温泉を日帰りで楽しむなら、村営の宿泊施設「グリーンパークつるい」がおすすめです。
日帰り入浴情報:
- 営業時間:10:00~22:00(最終受付21:30)
- 定休日:なし(年中無休、臨時休館あり)
- 料金:大人 750円、小学生 550円、未就学児 無料
- 泉質:ナトリウム-塩化物泉(加温・循環あり)
- 設備:大浴場・露天風呂・サウナ・休憩所・レストラン併設
露天風呂からは北海道らしいのどかな田園風景が広がり、季節ごとの風を感じながら湯浴みを楽しめます。地元野菜を使った定食が人気のレストランもあり、半日ゆったりと過ごせる温泉施設です。
周辺観光地|釧路湿原とタンチョウの里をめぐる
鶴居温泉の魅力は、温泉だけにとどまりません。周辺には北海道ならではの豊かな自然や野生動物に出会える観光地が点在しています。
● 鶴見台(つるみだい)【車で5分】
冬季にはタンチョウの観察スポットとして有名。1月〜3月には多くの丹頂鶴が舞い降り、カメラマンや観光客でにぎわいます。
● 釧路湿原国立公園(車で約30分)
日本最大の湿原。展望台、木道、カヌーツアーなどが楽しめる。四季折々の表情があり、野生動物の観察にも最適。
● 阿寒湖温泉・摩周湖(車で約1時間)
道東エリアの代表的な温泉・観光スポット。雄大な自然と湖の神秘的な景観は必見です。
アクセス方法|釧路・阿寒・弟子屈からの中間地点
鶴居温泉へのアクセスは、以下のとおりです。
- 所在地:北海道阿寒郡鶴居村鶴居西1丁目
- 最寄空港:たんちょう釧路空港から車で約45分
- 公共交通機関:釧路駅から阿寒バス(鶴居線)で約60分、「鶴居」下車 徒歩5分
- 車利用:釧路市内から約40分/阿寒湖から約1時間
- 駐車場:グリーンパークつるい/ホテルTAITOに無料駐車場あり
道東観光の途中に立ち寄りやすく、温泉と自然を同時に楽しめるスポットとしても人気です。
まとめ|静かな村で心と体を癒す鶴居温泉の魅力
鶴居温泉は、観光地化されすぎていない自然豊かな環境の中で、本格的な温泉と静けさを味わえる貴重な湯処です。ナトリウム塩化物泉の温かい湯に浸かり、野鳥のさえずりに耳を傾け、心身をリセットする贅沢な時間を過ごすことができます。
日帰りでも、宿泊でも、リフレッシュしたいすべての人におすすめしたいこの場所。道東観光の隠れた名所として、ぜひ鶴居温泉を旅の候補に加えてみてください。
※記載の内容は2025年5月時点の情報です。最新の営業情報・料金等は公式サイト等でご確認ください。
👉 グリーンパークつるい 公式サイト