青森県青森市にある「青森県立美術館」は、世界的に評価の高い現代アートや郷土ゆかりの作家たちの作品を中心に展示する文化施設です。美術館そのものが芸術作品のような白亜の建築で、作品・空間・自然が融合した独自の美術体験が楽しめるとして、県内外のアートファンに高く評価されています。
今回は、青森県立美術館の概要や歴史、注目作品、周辺の観光地(温泉含む)、アクセスや注意点など、訪問前に知っておきたいポイントを詳しく解説します。
◆ 観光地概要|アートと建築が溶け合う“体験型美術館”
青森県立美術館は、2006年に開館した県立の美術館で、青森市西部の丘陵地「三内地区」に立地しています。世界遺産「三内丸山遺跡」のすぐ隣に位置しており、縄文時代から現代に至る“青森の感性”が連続する文化ゾーンとして整備されました。
設計は、青森市出身で日本建築界を代表する青木淳氏によるもの。遺跡の発掘現場をモチーフとした土をえぐるような白いコンクリート建築は、訪れる者を非日常へと誘います。自然光を取り込む展示空間や、中庭、野外彫刻エリアなど、美術館全体が一つの芸術作品として機能しています。
◆ 歴史|縄文の地に生まれた、現代アートの発信地
青森県立美術館の建設地は、縄文時代の大集落跡「三内丸山遺跡」のすぐ隣。1992年以降の発掘調査によって注目が集まる中、青森の文化資産と現代アートの融合を図る施設として構想されました。
2006年に開館して以降は、世界的な作家であるシャガール、棟方志功、奈良美智、寺山修司など、青森ゆかりの芸術家を軸にしたコレクション展や企画展を数多く開催。2020年代以降は、地域文化や縄文モチーフを生かした展示も加わり、国際的な文化交流の場としての役割も果たしています。
◆ 見どころ|“あおもり犬”とシャガールの大作に出会う
◯ シャガールの大壁画《アレコ》全4作品
ロシア出身の巨匠マルク・シャガールが、1942年にバレエ「アレコ」のために描いた巨大な舞台背景画全4点が、世界で唯一常設展示されています。縦9m、横15m超の圧倒的スケールと、幻想的で叙情豊かな色彩は必見。
◯ 奈良美智《あおもり犬》
美術館の象徴ともいえる巨大な白い犬の彫刻《あおもり犬》は、中庭に設置されたフォトジェニックな現代彫刻。作者の奈良美智は青森県弘前市出身で、作品の内包する「孤独」「まなざし」の力に世界中からファンが集まります。
◯ 棟方志功の作品群
世界的版画家である**棟方志功(むなかたしこう)**の作品も豊富に展示。彼の生家のある青森市にちなんで、肉筆・版画・装幀画などを網羅的に展示し、彼の創作の根源に触れられます。
◯ コレクション展・企画展
常設のコレクション展では、上記作家に加え、寺山修司、菅木志雄、成田亨(ウルトラマンデザイナー)など多彩な地元出身作家の作品も展示。また、年に数回開催される企画展では、国内外の現代美術の最前線が紹介されます。
◆ 周辺観光地・温泉情報
◯ 三内丸山遺跡(徒歩3分)
縄文時代の集落跡として世界遺産に登録された文化遺産。竪穴住居や掘立柱建物の復元が見学でき、美術館との“時代の対比”が楽しめる組み合わせ。
◯ 浅虫温泉(車で30分)
青森市中心部からアクセスしやすい海辺の温泉街。陸奥湾を望む絶景露天風呂や足湯スポットがあり、美術鑑賞の疲れを癒すのにぴったり。
◯ 青森魚菜センター「のっけ丼」(車で15分)
青森駅近くにある、海鮮グルメのテーマパーク。マグロ、ホタテ、イクラなどを自分で選んで盛り付ける“のっけ丼”が大人気。
◆ アクセス方法|新青森駅・青森市街からも好立地
◯ 所在地
青森県青森市安田字近野185(県立美術館)
◯ 電車+バス
- JR「新青森駅」から市営バス「三内丸山遺跡行き」乗車 → 徒歩約2分
- JR「青森駅」からもバス便あり(約20分)
◯ 自動車利用
- 青森駅から:約15分
- 青森空港から:約25分
- 東北自動車道「青森IC」から約10分
- 無料駐車場(300台以上)あり
- 駐車場ゲート閉鎖:20:30~8:15(注意)
◆ 注意点|展示替え・休館日に注意
- 展示替えや企画展準備のため、臨時休館日が年間複数回あります。
- 毎月第2・第4月曜が休館日(祝日の場合は翌日)
- 最新スケジュールは公式サイトまたはSNSを確認
- 展覧会により観覧料が異なるため、目的の展示を事前にチェック推奨
◆ 観覧料(2024年度:コレクション展)
区分 | 個人 | 団体(20名以上) |
---|---|---|
一般 | 700円 | 560円 |
大学生 | 400円 | 320円 |
高校生以下・18歳以下 | 無料 | 無料 |
※企画展は別料金/展示により異なる
※各種キャッシュレス・コード決済に対応
◆ まとめ|感性を刺激する、青森文化の中心地へ
青森県立美術館は、単なる作品鑑賞の場ではなく、**建築・展示・地域文化が一体となった“体験する美術館”**です。世界的な名作と出会い、郷土の芸術家たちの足跡を辿ることで、青森という地が持つ“表現の力”に触れられるでしょう。
旅の途中に、あるいは目的地として、ぜひ足を運んでみてください。あなたの感性が動き出す、そんな時間がここにあります。
📍【公式サイト】
👉 青森県立美術館 公式ホームページ