岩手県北東部、太平洋に面した港町「久慈市(くじし)」は、美しい海岸線と豊かな山々、素朴で温かい地域文化が残る北三陸の中心都市です。近年はNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台としても知られ、全国から多くの観光客が訪れています。
今回はこの久慈市を中心に、半径60km圏内(岩手県内のみ)で訪れる価値のある観光地を厳選して紹介します。海・山・食・歴史と多彩な魅力を持つこの地域は、1泊2日でも十分楽しめる絶好の観光エリアです。
■ 観光地概要|海と山に抱かれた北三陸の拠点
久慈市は、三陸海岸北部に位置する自然豊かな都市で、リアス式海岸特有の景観美が魅力です。市街地には観光案内所やホテル、飲食店が充実しており、三陸鉄道リアス線の拠点としても機能。市内からは海岸線、山間部の温泉、史跡、自然公園など、60km圏内に様々なスポットが点在しています。
久慈市内には「久慈地下水族科学館もぐらんぴあ」や「道の駅くじ やませ土風館」など、地元色の濃い観光施設があり、旅のスタート地点にぴったりです。
■ 歴史|縄文文化と鉱山、そして「あまちゃん」
久慈市周辺は縄文時代から人が暮らしていた痕跡が多く残る地域であり、市内の「長内遺跡」や「久慈琥珀博物館」では、その歴史に触れることができます。特に久慈琥珀は、日本最大級の産地として知られ、古くから装飾品として全国に広まりました。
また、昭和から平成にかけては鉱山と漁業が地域経済を支えてきたエリアでもあります。現代では、2013年放送の連続テレビ小説『あまちゃん』により全国的な注目を浴び、観光と地域活性の原動力となりました。
■ 見どころ|久慈市内と周辺の名所を厳選
● 久慈地下水族科学館もぐらんぴあ
日本唯一の地下水族館。トンネルを活かした展示空間に、三陸の海の生き物たちが展示されており、『あまちゃん』ロケセットも見学可能。
久慈地下水族科学館もぐらんぴあの特集記事はこちら
● 小袖海岸と小袖海女センター
『あまちゃん』で有名になった北限の海女の実演が見られるスポット。海岸沿いの絶景と、海女文化に触れられる貴重な場所です。
小袖海女センターの特集記事はこちら
● 久慈琥珀博物館
国内最大級の琥珀の産出地である久慈で、実際に採掘体験もできる博物館。アクセサリー作り体験なども人気。
久慈琥珀博物館の特集記事はこちら
● 道の駅くじ やませ土風館
地元特産品が豊富に並ぶ物産館と観光案内所が一体となった施設。レストランでは久慈の郷土料理が楽しめます。
道の駅くじの特集記事はこちら
■ 周辺観光地|久慈市から60km圏内で巡る岩手県内の名所
● 野田村(車で約30分)
三陸復興国立公園の一角に位置し、野田玉川鉱山跡や「のだ塩工房」など、地域資源を活かした観光が可能。野田港での釣りも人気です。
● 普代村・黒崎展望台(車で約50分)
標高約120mの断崖から広がる太平洋を一望。黒崎灯台や遊歩道も整備されており、夕陽や朝日の絶景スポットとして知られます。
● 久慈渓流温泉(車で約40分)
四季折々の渓流美に癒される、日帰り温泉も可能な山間の名湯。紅葉の時期には特におすすめです。
● 二戸市「金田一温泉郷」(車で約60分)
かつて宮沢賢治も訪れた歴史ある温泉地。静かな田園風景の中で、豊かな湯と地元料理に癒される滞在が楽しめます。
■ アクセス方法|久慈市までの交通案内
【鉄道】
- JR八戸駅からJR八戸線で久慈駅まで約1時間40分
- 盛岡駅からIGRいわて銀河鉄道〜JR八戸線経由で約2時間半
- 三陸鉄道リアス線で宮古・田野畑方面へもアクセス可能
【車】
- 東北自動車道「九戸IC」から国道395号経由で約1時間
- 二戸市から国道281号で約1時間
- 野田・普代・洋野町方面へも国道45号でスムーズにアクセス可能
■ 注意点|季節・天候・交通にご留意を
- 冬季(12月〜3月)は積雪・凍結に注意。山間部や海沿いではスタッドレスタイヤ必須
- 台風・強風時は海岸エリア立入禁止の場合あり
- 観光施設の定休日や営業時間は、事前に公式サイトや観光案内所で確認を推奨
- 公共交通は本数が少ないため、レンタカーの利用が推奨される地域も多い
■ まとめ|自然・文化・人情が調和する北三陸の旅へ
久慈市を中心とした岩手県北部の60km圏エリアは、手つかずの自然と素朴な人々の暮らし、そして地域の誇りが感じられる観光地が集まる魅力的なエリアです。華やかさよりも、「本当の日本のよさ」を実感できる場所。
都会の喧騒を離れ、三陸の風とともに静かな感動を味わいたい方にこそ、久慈エリアの旅は最適です。あまちゃんのロケ地巡りだけでなく、地元食材、温泉、海女文化などを通して、北東北の本質に出会ってみてください。