観光地概要

秋田県鹿角市花輪にある「関善賑わい屋敷(せきぜんにぎわいやしき)」は、江戸末期から昭和初期にかけて活躍した豪商・関家の邸宅を活用した観光文化施設です。かつて関家は呉服や金物、肥料などを扱う商家として繁栄し、東北地方でも有数の豪商として名を馳せました。

現在は、当時の建物や商家の暮らしぶりを伝える資料館として整備されており、館内では豪奢な建築様式や生活用具、商い道具などを見学できます。木造建築の風格ある佇まいと、往時の町家の雰囲気をそのまま残す空間は、花輪の歴史や文化を体感できる貴重なスポットとなっています。

【基本情報】

  • 所在地:秋田県鹿角市花輪字上花輪85
  • 電話番号:0186-23-7799
  • 開館時間:
     ・夏季(4~11月)10:00~17:00
     ・冬季(12~3月)10:00~16:00
  • 休館日:毎週木曜日(ただし花輪朝市の日〔3・8のつく日〕は開館し、翌日休館)
  • 見学料:中学生以上500円(団体10名以上400円)/JAF会員10%割引(1枚で5名まで適用)
  • 駐車場:
     ・第1駐車場(施設裏・4~12月)15台
     ・第2駐車場(国道282号沿い定期市場駐車場)乗用車30台・大型バス3台

歴史

関善賑わい屋敷は、江戸後期に創業した関家の本宅を中心に構成されています。関家は当時、呉服・荒物・金物などを広域にわたって取り扱う商売を展開し、明治から大正期にかけては金融業や倉庫業にも進出するなど、鹿角地域を代表する豪商として発展しました。

その繁栄ぶりは建築にも反映されており、屋敷内には明治・大正期に建てられた豪壮な木造町家が並びます。昭和初期以降は一時期空き家となっていましたが、地域住民や行政による保存活動が進められ、2012年に「関善賑わい屋敷」として再生・公開されました。


見どころ

豪商の町家建築

太い梁や柱、格天井、漆塗りの建具など、随所に職人技が光る意匠が施された木造建築が見どころです。往時の商家の暮らしや富裕層の文化を間近で感じられます。

商い資料と生活道具の展示

関家が実際に使っていた帳簿や秤、看板、商用道具のほか、明治〜昭和期の生活用具も多数展示されています。商業史や地域文化史の学習にも最適です。

イベント・体験プログラム

館内では不定期で伝統工芸や文化体験イベント(着物着付け、和小物づくり、茶道体験など)も開催されており、観光と学びを一度に楽しめます。

レトロな町並み景観

屋敷周辺には、かつての花輪宿の面影を残す町並みが広がっており、散策にもおすすめです。


周辺観光地

  • 花輪ばやし屋台展示館(徒歩約5分)
    日本三大ばやしに数えられる「花輪ばやし」の豪華な屋台を展示。
  • 道の駅 かづの あんとらあ(車で約5分)
    郷土料理や特産品販売、花輪ばやしの常設展示もある大型道の駅。
  • 尾去沢鉱山(車で約10分)
    1300年の歴史を誇る銅山跡で、観光坑道を歩いて見学できる。
  • 大湯ストーンサークル館(車で約15分)
    世界文化遺産に登録された縄文遺跡「大湯環状列石」を紹介する施設。

アクセス方法

  • 車利用
    東北自動車道「鹿角八幡平IC」から約10分。第1・第2駐車場(無料)を完備。
  • 公共交通機関
    JR花輪線「鹿角花輪駅」から徒歩約15分、またはタクシーで約3分。
  • 飛行機利用
    大館能代空港から車で約1時間20分、青森空港から約1時間30分。

注意点

  • 木造建築のため、冬期は館内が冷え込むことがあります。防寒対策をして訪れると安心です。
  • 館内は文化財保護のため、一部立ち入り制限や撮影禁止の区域があります。
  • 駐車場は第1(施設裏)と第2(定期市場駐車場)に分かれており、大型バスは第2駐車場を利用します。
  • 毎週木曜日は休館ですが、3と8のつく日は「花輪朝市」にあわせて開館し、翌日が休館となるため注意が必要です。

まとめ

関善賑わい屋敷は、江戸~昭和初期にかけて鹿角で栄えた豪商・関家の邸宅を活用した歴史文化施設で、重厚な町家建築と商家文化を間近に体感できる貴重なスポットです。

館内では、当時の暮らしや商いの様子を伝える資料展示やイベントが行われており、地域文化に触れながら学べる場として観光客に人気です。周辺には花輪ばやしや尾去沢鉱山、大湯ストーンサークルなど多彩な観光地もあり、鹿角観光の起点として最適です。

2025年の秋田観光では、ぜひ「関善賑わい屋敷」を訪れ、歴史と文化の薫りに包まれた花輪の町並みを楽しんでみてください。