北海道・上富良野町の奥地、標高1,200mの山間に佇む秘湯「十勝岳温泉 カミホロ荘」。十勝岳連峰の雄大な景色に抱かれながら、源泉かけ流しの天然温泉を心ゆくまで楽しめる山の宿です。
登山やアウトドアを楽しむ人々からの信頼も厚く、静かに過ごしたい温泉ファンにも根強い人気を誇っています。
この記事では、「カミホロ荘」の施設概要、泉質の詳細、アクセス方法など、訪れる前に知っておきたいポイントを丁寧にご紹介します。
施設概要|大自然と一体になれる静寂の湯宿
「カミホロ荘」は、上富良野町が運営する公共の宿泊施設で、登山口にほど近い十勝岳温泉郷の一角にあります。「カミホロ」とは、「上ホロカメットク山(標高1,920m)」の略称で、山名を冠するこの宿は、登山者やトレッキング客の拠点として長年親しまれてきました。
木造の館内には、落ち着いた和室や洋室が整い、周囲にはテレビの電波すら届かない静けさが漂います。日常を離れ、大自然の音に耳を澄ましながら湯に浸かる贅沢──それが「カミホロ荘」の真骨頂です。
泉質について|酸性系の硫酸塩泉がもたらす豊かな効能
カミホロ荘の温泉は、火山帯ならではの豊富なミネラルを含む良質な天然温泉。地下から湧出する源泉は、以下のような特徴を持っています。
◆ 泉質
- 泉質名:アルミニウム・カルシウム-硫酸塩泉
(旧泉質名:含石膏-酸性泉) - 泉温:約29℃(加温あり)
- 使用方式:源泉かけ流し
この泉質は、酸性系の硫酸塩泉に分類され、殺菌作用が高く皮膚病や慢性疾患への効果が期待される湯です。湯色はやや白濁し、ぬるめの温度と肌ざわりの柔らかさが特徴です。
効能|身体を癒し、肌を整える多彩な効果
カミホロ荘の温泉には、以下のような効能(適応症)が認められています:
- 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺
- 慢性消化器病・うちみ・くじき
- 慢性皮膚病・動脈硬化症・きりきず・やけど
- 病後回復・疲労回復・冷え性・痔疾・健康増進
なかでも、切り傷や火傷に効く“石膏泉”としての働き、美肌効果、保湿性の高さが注目されています。湯上がり後は、肌がしっとりとしてツヤが生まれ、まさに“山の中の美人湯”と呼ぶにふさわしい温泉です。
源泉かけ流し|加温のみでろ過・循環なしの天然湯
「カミホロ荘」では、源泉温度が約29℃と低いため加温はされていますが、加水・循環・ろ過は一切していない“正真正銘の源泉かけ流し”。
そのため、泉質は非常に新鮮で、湯の成分が失われることなく身体に届きます。
朝晩で湯の色が微妙に変化することもあり、自然のままの湯を楽しめる点は、温泉好きにはたまらないポイントです。
アクセス方法|山道を抜けた先にある秘湯
◆ 所在地
北海道空知郡上富良野町十勝岳温泉
◆ 車でのアクセス
- JR上富良野駅から車で約30分
- 旭川空港から約70分(国道237号・道道291号経由)
- 富良野市街から約40分
※冬季は通行規制・積雪・凍結などの影響が出るため、スタッドレスタイヤやチェーンが必須です。
◆ 公共交通機関
上富良野駅からの路線バスは本数が少なく、公共交通だけではアクセスが難しいため、レンタカー利用が推奨されます。
日帰り入浴について|現在は再開未定
2024年現在、「日帰り入浴は再開未定」となっており、宿泊者限定での入浴利用となっています。
かつては日帰り利用が可能でしたが、運営方針や設備管理上の理由から一時中止中。今後再開の可能性もあるため、公式サイトや直接の問い合わせにて最新情報を確認することをおすすめします。
宿泊で味わう温泉と自然の贅沢
日帰り入浴ができない今、カミホロ荘を楽しむには宿泊が最も確実で豊かな体験となります。
山の幸を活かした手作りの食事、星空と山風を感じる夜の静けさ、そして朝風呂で感じる森の目覚め。
自然と一体になれる時間を、ぜひ宿泊で体験してみてください。
まとめ|静かに湯と向き合う、天空の癒し宿「カミホロ荘」
十勝岳温泉 カミホロ荘は、北海道の自然と調和するように佇む秘湯の宿です。
アクセスに少し手間がかかる分、辿り着いた先には「本物の温泉」と「手つかずの自然」が待っています。
加温のみの源泉かけ流し、肌にやさしい酸性泉、そして心を静かに整える山の空気。
富良野・美瑛エリアを訪れる際には、都会の喧騒を忘れ、「何もしない贅沢」を味わう旅の一泊をカミホロ荘で過ごしてみてはいかがでしょうか。
公式サイト:十勝岳温泉 カミホロ荘