◆ 観光地概要|現存天守と桜の名所が織りなす、東北屈指の城跡
弘前城(ひろさきじょう)は、青森県弘前市にある東北地方唯一の現存天守を有する名城で、日本百名城にも選定されています。城跡一帯は「弘前公園」として整備され、桜の名所として全国的な知名度を誇ります。
春の桜、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の風景と歴史的建造物が調和するこの場所は、年間を通じて多くの観光客を魅了しています。
◆ 歴史|津軽藩の威光と存続を象徴する弘前城の歩み
弘前城の築城は、津軽藩の初代藩主・津軽為信(ためのぶ)によって計画され、二代藩主・津軽信枚(のぶひら)の手により、1611年に完成しました。かつては五層の天守を有していましたが、1627年に落雷により焼失。現在の三層の天守は1810年に再建されたもので、江戸時代から現存する12天守のひとつに数えられています。
城内には、天守のほか三つの櫓(やぐら)や五つの門などの遺構が残されており、国の重要文化財にも指定されています。かつての弘前藩20万石の城下町の中心として栄えた、歴史の息づく空間です。
◆ 見どころ|現存天守と季節の風景が生み出す圧巻の景色
現存天守(仮移設中)
弘前城天守は現在、石垣修復工事のため仮移設中(2025年現在)。本丸内の仮設地に移された天守は、間近で見学することができ、通常では見られない角度からの撮影が可能となっています。この仮設天守の眺望と周囲の堀・桜とのコラボレーションは、いまだけの貴重な体験です。
本丸・北の郭(有料区域)
城郭内の本丸・北の郭(きたのくるわ)は有料エリアとなっており、歴史的な建造物や堀、石垣などが現存。春には約2600本の桜が咲き誇り、特に外濠に映る天守と桜の風景は圧巻です。
- 【開園期間】4月1日~11月23日 9:00~17:00(※桜まつり期間は21:00まで)
- 【休園期間】11月24日~3月31日
- 【入園料(1日券)】
- 大人 320円、子供 100円
- 団体(10名以上):大人 250円、子供 80円
- 【年間券】
- 大人 1,040円、子供 310円
弘前城植物園(併設施設)
弘前公園南側には、約1,500種の草花や樹木が楽しめる弘前城植物園が併設されています。季節の花々や樹木が彩る園内は、家族連れやカップルに人気。
- 【開園期間】4月中旬~11月23日 9:00~17:00(最終券販売16:30)
- 【休園日】開園期間中は無休
- 【入園料(1日券)】
- 大人 320円、子供 100円
- 団体(10名以上):大人 250円、子供 80円
- 【年間券】
- 大人 1,040円、子供 310円
共通券(1日券/年間券)
両施設の見学には共通券が便利です。
- 【共通1日券】大人 520円、子供 160円(団体:大人 470円、子供 130円)
- 【共通年間券】大人 2,090円、子供 620円
◆ 周辺観光地|弘前公園・歴史建築・グルメも充実
- 弘前公園:弘前城を中心とした一帯。桜の名所、散策路、夜桜ライトアップなど見どころ満載。
- 藤田記念庭園:大正時代の和洋折衷庭園。喫茶室もあり、優雅な時間を過ごせます。
- 旧弘前市立図書館:明治期の擬洋風建築。白壁と塔屋が特徴。
- 津軽藩ねぷた村:津軽三味線やねぷた制作体験で、津軽文化を体感できます。
◆ アクセス方法|鉄道・車・飛行機すべて対応
- 電車でのアクセス:JR奥羽本線「弘前駅」からタクシーで約10分、または徒歩30分。
- 車でのアクセス:東北自動車道「大鰐弘前IC」から約25分。
- 飛行機でのアクセス:青森空港からリムジンバスで約55分。
※桜の季節は大変混雑するため、公共交通機関の利用が推奨されます。
◆ 注意点|工事・混雑・気候に配慮しよう
- 天守は現在仮移設中であり、本来の位置では見られません。石垣修復完了予定は未定のため、事前の確認をおすすめします。
- 桜まつり期間中(例年4月中旬~5月上旬)は非常に混雑します。早めの宿泊予約と公共交通機関の活用が安全です。
- 冬季は休園期間となり、本丸内や天守への立ち入りは不可。代わりに公園内では雪燈籠まつりなどのイベントが開催されます。
◆ まとめ|弘前城は「現存天守」と「桜」の競演が楽しめる稀有な名城
弘前城は、東北唯一の現存天守と、圧巻の桜風景を兼ね備えた日本有数の観光名所です。歴史的価値の高い建築と、四季折々の自然が織りなす美しい風景は、国内外の旅行者を魅了し続けています。
今だけの仮天守と至近距離からの観覧、そして歴史を感じる空間散策を通じて、弘前の奥深さに触れてみてください。訪れるたびに新たな感動が待っています。