世界自然遺産・知床の奥地、カムイワッカ湯の滝や知床五湖へ続く道の途中にある、「ホテル地の涯(ちのはて)」。その名の通り「地の果て」を思わせるような静寂と原生の森に囲まれたこの宿は、まさに“知床最後の秘湯”ともいえる存在です。

今回は、この秘境の宿「ホテル地の涯」の魅力を、温泉の泉質や施設概要、アクセス方法、日帰り入浴の有無などを含めて詳しくご紹介します。


施設概要|知床の大自然に抱かれた静かな湯宿

ホテル地の涯は、北海道斜里町の知床国立公園内、知床五湖から車で約5分ほどの距離に位置する小規模宿泊施設です。周囲には人工的な建物がほとんどなく、宿そのものが自然の一部であるかのようなロケーションが最大の魅力。

館内は素朴でアットホームな雰囲気で、客室数も限られているため、静かに自然と向き合いたい旅人にぴったり。電波が届きにくい場所であるため、スマートフォンやネットの喧騒から離れて、“本当の意味でのリトリート”が可能な宿でもあります。


泉質について|カムイワッカの源流から湧き出る貴重な湯

ホテル地の涯の温泉は、「カムイワッカ湯の滝の源泉を引湯」しています。カムイワッカとは、アイヌ語で「神の水」を意味し、温泉の成分を含む温かい滝として有名な知床の名所。その希少な源泉を湯船に引き入れているのがこの宿の温泉です。

■ 泉質:

  • 単純硫黄泉(弱酸性・低張性温泉)
  • pH:約4.5〜5.5前後
  • 湯の色:やや白濁(硫黄成分による)

■ 効能:

  • 神経痛
  • 筋肉痛
  • 冷え性
  • 慢性皮膚病
  • 切り傷・やけど
  • 美肌効果(硫黄による角質柔軟作用)

■ 源泉かけ流し:

ホテル地の涯の温泉は、完全な「源泉かけ流し」。加水・加温・循環を行わず、自然のままの湯をそのまま浴槽に使用しています。まさに天然そのものの湯が楽しめる、全国でも希少な温泉宿です。

また、泉温が比較的ぬるめであることから、長湯にも適しており、じんわりと体を温めてくれるのが特徴です。


温泉施設の魅力|森に抱かれる静かな内湯と露天風呂

浴室は内湯と露天風呂があり、どちらからも原生林に囲まれた知床の自然を満喫できます。露天風呂は木々に囲まれた開放的な空間で、鳥のさえずりや風の音を聞きながら入浴する贅沢な時間が過ごせます。

  • 入浴時間(宿泊者):15:00〜23:00/5:00〜9:00
  • 男女別/露天風呂あり
  • 内湯も浴槽が広くゆったり

浴室は木のぬくもりを活かした設計で、派手さはないものの素朴で心安らぐ空間となっています。


日帰り入浴について

日帰り入浴:13:00~18:30(最終受付18:00)
※状況により(宿泊利用者様の混雑時等)日帰入浴利用をお断りさせていただく場合もあるとのこと。

※公式サイトや宿に直接確認することで最新の営業状況を確認できます。


アクセス方法|公共交通はやや不便、車・レンタカーがベスト

ホテル地の涯は、知床五湖の近くという立地のため、公共交通機関のアクセスは限られています。

● 車(レンタカー)でのアクセス

  • 女満別空港から:約2時間30分
  • 中標津空港から:約2時間
  • 知床斜里駅から:約1時間(国道334号 → 知床自然センター → 知床五湖方面)

※冬季(11月〜4月)は知床五湖〜カムイワッカ湯の滝区間が通行止めになるため注意が必要です。

● 公共交通機関

  • JR釧網本線「知床斜里駅」 → 路線バスで「知床自然センター」まで
  • 自然センターからタクシーで約20分(ただし台数に限りあり)

※レンタカー利用がもっとも現実的です。


まとめ|知床の“果て”で心と体を癒す、極上の温泉宿

ホテル地の涯は、華やかな観光地とは一線を画す、自然の中にひっそりと佇む“本物の秘湯宿”。カムイワッカの源泉を引いた硫黄泉、加温・加水なしの源泉かけ流し、そして原生の森と静寂に包まれる入浴体験は、まさに知床の奥地でしか得られない特別なひとときです。

「自然の中で静かに過ごしたい」「本物の温泉に入りたい」「観光より癒しを重視したい」――そんな旅を求める方には、ホテル地の涯が最適な選択肢となるでしょう。

知床の大自然に身をゆだねる“地の果て”の時間を、ぜひ一度体験してみてください。