世界自然遺産・知床半島の玄関口、斜里町の郊外にひっそりと佇む温泉施設「越川温泉」。知名度こそ高くはありませんが、100%源泉かけ流しの良質な湯と、地元の人々に長年愛される素朴な雰囲気が魅力の“通好み”な温泉です。

この記事では、越川温泉の施設概要や泉質、源泉かけ流しの情報、アクセス方法、日帰り入浴の詳細などを、観光客・温泉ファン双方の視点から丁寧にご紹介します。北海道・斜里町でゆっくりと温泉に浸かりたい方は必見です。


施設概要|斜里町の自然に囲まれた昔ながらの温泉施設

「越川温泉」は、斜里町越川地区の静かな山間に建つ、地域密着型の温泉施設です。大規模な観光ホテルではなく、地元住民の生活に根ざした日常的な温泉でありながら、その湯の質の高さに定評があります。

観光客にとっては“知る人ぞ知る”穴場のような存在ですが、近年では口コミやSNSを通じて注目度が高まりつつあります。周囲には田畑や林が広がり、知床観光の喧騒から離れて、のんびりと湯を楽しむには絶好の環境です。

浴場は男女別の内湯が1つずつあり、設備はシンプルながら清掃が行き届いていて清潔感もあります。


泉質について詳しく|じんわりと体を温める塩化物泉

越川温泉の魅力の中心は、泉質の良さにあります。

◆ 泉質の詳細

  • 泉質名:ナトリウム-塩化物泉(中性・低張性・高温泉)
  • 源泉温度:約45℃
  • 湯の色:無色透明
  • pH値:6.9前後(中性)

この泉質は、保温効果が高く“熱の湯”とも呼ばれるタイプで、体を芯から温めてくれるのが特長です。塩化物泉には湯冷めを防ぐ作用があり、寒冷地の北海道ではとくに重宝されます。

湯上がり後はポカポカとした心地よさが長く続き、神経痛・関節痛・冷え性・慢性皮膚病・疲労回復など、さまざまな効能が期待できます。


源泉かけ流し|加水・加温なしの天然そのままの湯

越川温泉では、加温・加水・循環なしの完全な源泉かけ流しが行われています。浴槽には、源泉から湧き出たばかりの温泉が常に注がれており、湯は絶えず新しいものへと入れ替わっています。

温泉成分を一切損なわず、自然のままの湯の香りや感触、効能をそのまま体験できる点は、全国でも希少です。加えて、源泉温度も適温のため、人工的な調整を行う必要がなく、環境にもやさしい運営がされています。


アクセス方法|市街地から車で15分の自然豊かな立地

  • 住所:北海道斜里郡斜里町越川
  • アクセス
    • JR釧網本線「知床斜里駅」から車で約15分
    • 斜里町市街地からタクシーまたはレンタカーでアクセス可
    • 無料駐車場あり(10台以上駐車可能)

公共交通機関ではややアクセスしにくいため、レンタカーまたは自家用車での訪問が基本となります。国道334号から町道を経由して向かう道中は、北海道らしい田園風景が広がり、ドライブにもおすすめです。


日帰り入浴情報|地域の人にも観光客にもやさしい料金設定

越川温泉は宿泊施設ではなく日帰り入浴専用の温泉施設です。観光の合間に立ち寄るのにもぴったりです。

◆ 営業情報(2024年5月時点)

  • 営業時間:10:00~20:00(最終受付19:30)
  • 定休日:毎週水曜日(祝日の場合は翌日休み)
  • 料金
    • 大人(中学生以上):500円
    • 小人(小学生以下):250円
    • 幼児:無料

◆ 備品

  • シャンプー・ボディソープ備え付けあり
  • フェイスタオル・バスタオルは持参推奨(レンタルまたは販売なし)

館内はシンプルながら、清掃が行き届いており、気持ちよく利用できます。観光客はもちろん、登山や釣り帰りの人々も多く訪れ、地元住民との交流が生まれることもあります。


まとめ|越川温泉は“知る人ぞ知る”癒しの名湯

斜里町の自然に囲まれた「越川温泉」は、豪華な設備やアメニティこそありませんが、源泉100%かけ流しの本物の湯を堪能できる貴重な温泉施設です。派手さはないものの、湯の質、落ち着いた空間、そして地元との温かな距離感が、旅の疲れをやさしく癒してくれます。

知床観光の前後や、ドライブの途中、あるいは「旅の締めくくりの湯」として――越川温泉は、そんな静かなひとときを過ごすのに最適な場所です。

自然と共にある湯で、あなたも心と身体をじっくりとほぐしてみませんか?


※施設の営業情報や料金は変更になる可能性があります。訪問前には斜里町観光協会や現地への電話確認をおすすめします。