北海道東部、世界自然遺産・知床半島の付け根に位置する斜里町。その広大な大地に描かれたようにまっすぐと伸びる1本の道があります。空へと吸い込まれるようなその姿は「天に続く道」と呼ばれ、いまや北海道を代表する絶景スポットのひとつです。
ドライブ好き、写真好き、旅の非日常を味わいたい人々にとって憧れの場所である「天に続く道」。本記事ではその魅力を余すところなく紹介し、歴史、見どころ、周辺観光スポット、アクセス方法、訪問時の注意点まで、旅行計画に役立つ情報をしっかりと解説します。
観光地概要｜全長約28.1kmの直線道路が織りなす絶景
「天に続く道」は、北海道斜里郡斜里町にある道道244号線・道道334号線の一部で、斜里市街から知床半島方面へと続く、全長約28.1kmの直線道路です。
この道が“天に続くように見える”理由は、その微妙な上り坂と直線の組み合わせ。特に斜里市街から国道334号をウトロ方面へ進み、峰浜地区から振り返ると、道路がまっすぐ天に向かって延びていくかのような圧倒的な光景が広がります。
まさに「天に吸い込まれていく道」。この風景は、SNSやテレビ番組、観光パンフレットなどで度々紹介され、写真映えする北海道の代表的スポットとなっています。
歴史｜地元に愛されてきた“名もなき道”が観光名所へ
「天に続く道」は、もともとは農業用道路や生活道路として整備された、特に観光目的で作られたわけではない一般的な道路でした。地元では長らく“普通の道”として認識されていましたが、その特異な直線構造と景観がSNSを中心に注目され、2010年代に入ってから全国的な知名度が急上昇。
現在では、斜里町観光協会も積極的にこのスポットをPRしており、「天に続く道 展望駐車場」や案内看板が整備されるなど、観光インフラも徐々に整えられてきました。
見どころ｜写真好きにこそ訪れてほしい“奇跡の構図”
「天に続く道」の最大の魅力は、まっすぐ天へと伸びていく直線道路のインパクトある景観です。とくに夕暮れ時や早朝の時間帯は、空のグラデーションと道路が絶妙なコントラストを描き、映画のワンシーンのような光景が楽しめます。
◎ ベストスポット：展望台（展望駐車場）
- 国道334号からの分岐点にある駐車場（斜里町峰浜）からは、もっとも美しく「天に続く道」が見える角度で撮影可能。
- 駐車場には案内板やフォトフレームのような撮影用モニュメントもあり、観光客に人気。
◎ おすすめ時間帯
- 夕方（17時〜18時）：オレンジ色に染まる夕陽と道の組み合わせが圧巻。
- 早朝（夏季は4時台）：朝靄と太陽が重なり、幻想的な風景に。
ドローン撮影は一部禁止されている区域もあるため、撮影時のマナーやルールには注意しましょう。
周辺観光地｜一緒に巡りたい斜里町・知床のスポット
◎ 知床五湖（車で約40分）
世界自然遺産・知床を代表する自然スポット。原生林と湖の景観、木道散策など、天に続く道の訪問とセットで楽しみたいエリア。
◎ オシンコシンの滝（車で約30分）
知床八景のひとつ。2筋に分かれて流れる美しい滝で、車道沿いにあり立ち寄りやすい。
◎ 斜里温泉 湯元館（車で約15分）
植物性モール泉の源泉かけ流し。観光のあとに立ち寄って、体を温めて帰るのにぴったり。
◎ 知床自然センター（車で約35分）
知床の自然や生態系を学べる拠点施設。ハイキングやトレッキングの情報も入手可能。
アクセス方法｜斜里市街から車で10分の好立地
- 住所：北海道斜里郡斜里町峰浜周辺
- 車でのアクセス：
- JR知床斜里駅 → 約10分
- 女満別空港 → 約1時間30分
- 網走市街 → 約1時間
- 知床ウトロ温泉街 → 約50分
- 公共交通機関：
- バス路線はないため、レンタカーまたは自家用車でのアクセスが必須です。
- 駐車場：
- 展望台の専用駐車スペースあり（約10台分）
注意点｜訪問時のマナーと安全に関するポイント
- 周囲は生活道路：農業関係者が利用する道路であるため、通行の妨げになる停車・撮影は厳禁です。
- 駐車は指定場所へ：道路脇やカーブ部分での駐車・Uターンは非常に危険です。
- ドローン撮影：無許可の飛行は禁止されている区域もあるため、事前に規制を確認しましょう。
- 天候・視界に注意：曇天・霧が出ると視界不良で絶景が見られないこともあります。事前に天気をチェックすると安心です。
まとめ｜「天に続く道」は北海道らしいスケール感を体感できる奇跡の絶景
斜里町の広大な大地に真っすぐ伸びる「天に続く道」は、ただの道路ではなく、**大自然と人工構造物が偶然にも生み出した“絶景の芸術”です。その風景は、見る者に非日常の感動と静けさをもたらし、旅の思い出をより鮮明に彩ってくれます。
知床・斜里エリアを旅する際は、ぜひ「天に続く道」をドライブルートに組み込んでみてください。北海道のスケール感、そして“空へ続く道”に心を奪われる、そんな体験が待っています。