北海道・音更町「十勝川温泉」特集ガイド
北海道十勝地方の中心都市・帯広市のすぐ隣に位置する音更町(おとふけちょう)。ここには、世界的にも珍しい泉質を誇る「十勝川温泉」があります。植物由来の有機物を豊富に含む“モール温泉”は、美肌の湯としても知られ、国内外から多くの観光客が訪れる人気温泉地です。
今回は、十勝川温泉の魅力や泉質の秘密、日帰り入浴施設、周辺観光地、アクセス方法まで、観光に役立つ情報を網羅的にご紹介します。
温泉地概要:世界でも希少な「モール泉」の温泉地
十勝川温泉は、北海道・十勝平野の中央部、音更町の十勝川沿いに位置する温泉地です。帯広駅から車で約15分とアクセスも良好で、道内でも人気の高い温泉地のひとつ。
泉質は「植物性モール温泉」と呼ばれ、太古の植物が堆積してできた亜炭層から湧き出す世界でも珍しい泉質です。モール泉は、ドイツやハンガリーなどの限られた地域でしか見られず、日本ではほぼ十勝川温泉のみで体験できます。
十勝川温泉街には、大小さまざまな宿泊施設や日帰り温泉、レストラン、足湯などが整備されており、旅の目的に応じて多様な楽しみ方が可能です。
歴史:農業とともに歩んだ湯治場の歴史
十勝川温泉の歴史は比較的新しく、発見されたのは1910年(明治43年)頃。地域の農業開拓が進む中で、農民の疲れを癒す湯治場として自然発生的に広まりました。
1950年代には本格的な温泉地としての開発が進み、宿泊施設が整備されるとともに観光地としての基盤が形成されました。近年では、地域ブランドとして「モール温泉」を積極的にPRし、十勝を代表する観光資源となっています。
泉質と効能:植物性モール泉がもたらす美肌効果
十勝川温泉の最大の特徴は、モール泉(Na-塩化物・炭酸水素塩泉)と呼ばれる珍しい泉質です。
● 泉質の特徴
- 植物性有機物を多く含む、茶褐色のとろみのある湯
- 弱アルカリ性で肌にやさしい
- 無臭または微かに植物の発酵臭
● 主な効能
- 美肌・保湿作用(肌がしっとりツルツルに)
- 神経痛・関節痛・冷え性・疲労回復
- 切り傷・やけど・皮膚疾患の緩和
天然の保湿成分を豊富に含み、「天然の化粧水」とも称される湯は、女性客を中心に圧倒的な支持を集めています。
日帰り温泉施設おすすめ
■ 観月苑(かんげつえん)
露天風呂から十勝川を望む絶景温泉。開放感ある内湯とサウナも完備。
- 営業時間:13:00〜21:00(日によって変更有)
- 日帰り入浴料:大人1,800円、子ども500円
- タオル貸出あり/食事処併設
☆観月苑の特集記事はこちら
■ 十勝川温泉第一ホテル
モール泉を源泉かけ流しで楽しめる贅沢な施設。日帰り利用も可能。
- 営業時間:13:00〜21:00
- 入浴料:大人2,000円/子ども800円
- ラウンジや休憩所も充実
☆十勝川温泉第一ホテルの特集記事はこちら
■ 足湯スポット「十勝が丘公園 足湯」
無料で利用できる足湯。観光の合間に気軽に立ち寄れる憩いの場。
- 営業時間:9:00〜18:00(冬季は休止の場合あり)
周辺観光地
■ 十勝が丘展望台(車で約5分)
十勝平野と日高山脈を一望できる高台の展望スポット。特に夕暮れ時の風景は圧巻。
■ 彩凛華(さいりんか/冬季イベント)
1月〜2月に開催される光と音の幻想的なイベント。カラフルなLEDが並ぶ雪原はインスタ映え必至。
■ 帯広競馬場(ばんえい十勝/車で約15分)
世界で唯一のばんえい競馬を観戦できる施設。大迫力のレースは必見。
アクセス方法
■ 車でのアクセス
- 帯広駅から:約15〜20分(道道73号線経由)
- 帯広空港から:約40分
- 札幌から:約3時間30分(道東自動車道利用)
■ 公共交通機関
- JR帯広駅 → 十勝バス「十勝川温泉行き」で約30分
- バスは1時間に1〜2本運行。主要ホテルの前にも停車します。
注意点
- モール泉は肌に優しい一方、湯あたりしやすい場合もあるため、長湯には注意。
- 冬季は路面凍結や降雪のため、レンタカー利用時はスタッドレスタイヤ必須。
- 足湯や展望台などは天候によって利用が制限されることもあるため、事前確認を。
まとめ:癒しと美肌を求めるなら、十勝川温泉へ
十勝川温泉は、温泉の質・景観・アクセスの三拍子がそろった北海道屈指の癒しスポットです。世界でも珍しいモール泉に浸かりながら、広大な十勝平野の自然を感じる贅沢な時間は、心身をリセットするのにぴったり。
日帰りでも十分満喫できますが、できれば宿泊して、朝風呂や地元グルメ、星空観賞も楽しみたいところ。次の北海道旅行には、ぜひ音更町・十勝川温泉を旅の目的地に加えてみてください。