北海道登別市に広がる登別温泉郷は、9種類もの泉質を有し“温泉のデパート”と称される日本屈指の温泉地。その中でも、自然の火山活動によって形成された特異な景観を楽しめる場所が「大湯沼・奥の湯・鉄泉池」の三大源泉地帯です。
本記事では、それぞれの温泉源の特徴や歴史、見どころ、アクセス方法、周辺観光地も含めてご紹介。登別観光の中でも“大地のエネルギーを体感するルート”として注目のスポットです。
観光地概要|火山活動によって生まれた登別温泉の源
登別温泉を支える巨大な熱源の一部が、この大湯沼・奥の湯・鉄泉池。それぞれが火山の地熱によって湧き出しており、現在も高温の熱泉が地表に噴き出す“生きた地球”を間近に感じられるエリアです。
いずれも登別温泉街から徒歩圏または車で数分の距離にあり、自然探勝路や散策道が整備されているため、気軽に訪れることができる絶景スポットとして人気です。
歴史|湯治場の原点、アイヌ文化の聖域でもあった場所
登別のこの一帯は、古来よりアイヌ民族にとって“カムイ(神)”の地とされ、特別な意味を持つ場所でした。アイヌ語で「ヌプルペッ(濁った川)」と呼ばれ、地中から湧き出す蒸気や泥湯は神の怒りとされ畏れられていました。
江戸〜明治時代には、登別温泉の源泉地として開発され、湯治客が自然のままの泥湯に浸かっていたという記録も残っています。今も多くの旅館や温泉施設に温泉を供給しており、登別の“温泉の心臓部”としての役割を担っています。
見どころ|3つの源泉が魅せる地熱の絶景
● 大湯沼(おおゆぬま)
直径約100m、水深約22mの火口跡にできた沼で、全体が高温の泥湯で満たされています。水温は表面で約40〜50℃、沼底では約130℃に達することもあり、泥がボコボコと音を立てて沸き上がる様子は圧巻です。
- 湯気と泥が舞う幻想的な風景は、早朝や雨の日もおすすめ
- 湯の川が流れ出す「大湯沼川天然足湯」も近くにあり、気軽に温泉気分を楽しめます
● 奥の湯(おくのゆ)
大湯沼の奥に位置する小さな温泉沼。直径約20mの池状の場所に、激しく音を立てて湧き出す熱湯が迫力満点。登別温泉の原始の姿をとどめており、地熱の迫力を間近で感じられます。
- 沼周辺はフェンスで囲まれているが、湯の湧出の勢いと轟音が間近で楽しめる
- 写真スポットとしても人気が高い
● 鉄泉池(てっせんいけ)
登別の源泉の中でも、最も激しく熱湯が噴出するスポット。地面の亀裂から間欠的に湯が噴き上がる姿は、まるで間欠泉のよう。岩肌の赤茶色は鉄分の沈着によるものです。
- 毎分3,000リットルを超える湧出量
- 遊歩道から安全に観察可能、音と湯気で五感が刺激される
周辺観光地|温泉と地獄谷の魅力を合わせて体感
これらのスポットは、以下の観光地と一緒に回るのがおすすめです。
● 地獄谷(徒歩・車で約5分)
登別温泉の代名詞的景観。火山ガスが噴き出す荒涼とした景色が広がり、大湯沼・奥の湯と合わせて“火山地形のミニ三部作”として楽しめます。
● 大湯沼川天然足湯
大湯沼から流れ出た温泉水を引いた川辺に設けられた足湯スポット。無料で利用でき、木々に囲まれた癒し空間です。
● 登別温泉街
湯めぐり・グルメ・土産物のすべてが揃う温泉街。鬼の像や飲泉所、食べ歩きも人気。
アクセス方法|登別温泉街から徒歩・車ですぐ
■ 所在地
北海道登別市登別温泉町(大湯沼・奥の湯・鉄泉池 各エリア)
■ 公共交通機関
- JR「登別駅」→ 道南バスで「登別温泉」下車 → 徒歩約20分(奥の湯)
- 登別温泉街からタクシーで5分程度、徒歩でもアクセス可能
■ 車でのアクセス
- 新千歳空港から約60分(道央自動車道経由)
- 札幌市から約90分
- 無料駐車場あり(大湯沼駐車場:普通車30台程度)
注意点|安全に楽しむために知っておきたいこと
- 蒸気や湯気は高温:柵の外へは立ち入らないこと
- 硫黄臭が強いため、呼吸器に不安がある方はマスク推奨
- 冬季は路面凍結・滑りやすいため滑り止め付き靴を推奨
- 雨天・濃霧時は視界が悪くなるので、注意が必要です
まとめ|登別温泉の“源”に触れる、感動の地熱体験を
「大湯沼・奥の湯・鉄泉池」は、単なる温泉観光では味わえない、火山の生きた鼓動を五感で体感できる稀有なスポットです。足湯で気軽に癒されるもよし、噴気を間近で見るもよし。写真映えするダイナミックな景色は、一生に一度の思い出となるはずです。
登別温泉を訪れたなら、湯に浸かるだけでなく、その湯がどこから来ているのかを“見て・感じて・学ぶ”体験を、ぜひここで。
📌 登別観光協会公式サイト
👉 https://www.noboribetsu-spa.jp/