須川高原温泉とは|標高1,126mに湧く“天空の秘湯”

岩手県と秋田県、宮城県の県境にそびえる名峰・栗駒山。その南東麓、標高1,126mに位置する「須川高原温泉」は、豊かな自然と強酸性の湯が特徴の歴史ある温泉地です。地元では「須川温泉」「元湯須川」とも呼ばれ、古くから湯治場として多くの人々を癒してきました。

周囲は栗駒国定公園に指定され、四季折々の風景が訪れる人々を魅了します。特に新緑と紅葉の季節には、東北随一とも称される絶景が広がり、ハイカーや観光客が全国から訪れます。日帰り温泉はもちろん、宿泊施設や休憩施設も整っており、誰もが気軽に“名湯と自然”を満喫できる高原リゾートです。

泉質と効能|国内屈指の強酸性泉がもたらす温浴効果

須川高原温泉の源泉「須川温泉」は、48~52℃の高温で、pH2.2という国内でも珍しい強酸性泉です。泉質は硫黄を多く含む「酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩泉」に分類され、強い殺菌作用と角質除去作用があることで知られています。

湯に入るとピリリとした刺激が感じられますが、これは肌表面の古い角質や細菌を除去する作用によるものです。皮膚病や慢性湿疹、切り傷、やけど、さらには高血圧症や動脈硬化などへの効能も期待されており、かつてから湯治場として重宝されてきたのも納得の泉質です。

湯は白濁しており、硫黄の香りが立ち込め、湯口には天然成分の析出物がびっしり。湯量も豊富で、加水・加温・循環を一切行わない100%源泉かけ流しの贅沢な湯使いが守られています。

泉質情報(2025年8月時点):

  • 泉質名:酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩泉(硫化水素型)
  • 源泉温度:48~52℃
  • pH値:2.2(強酸性)
  • 湧出量:非常に豊富(毎分6,000L以上)
  • 特色:殺菌効果、美肌効果、硫黄臭強め、白濁湯
  • かけ流し:100%源泉かけ流し(加水・循環なし)

多彩な入浴施設|大露天風呂から個室貸切まで選べる楽しさ

須川高原温泉には、施設内にいくつかの浴場があり、旅のスタイルに応じた入浴体験ができます。最も人気があるのが、雄大な山々を一望できる「大露天風呂」。朝6時から夜21時まで利用可能で、栗駒山の四季を肌で感じながら湯浴みができます。

そのほか、室内の「大浴場」「中浴場」、入浴と休憩がセットになった「大広間利用」や「個室休憩」など、利用シーンに応じて選べるのも魅力です。

日帰り入浴料金(2025年8月現在/税込):

利用プラン大人小学生利用時間
入浴のみ(大浴場・中浴場・露天風呂のいずれか1回)800円400円9:00〜16:00(露天風呂は6:00〜21:00)
大広間休憩(入浴込)1,400円700円8:30〜15:00(内風呂は9:00〜)
入浴共通券(大浴場+露天風呂)1,200円600円14:00〜16:00受付、入浴は17:00まで
中広間(貸切)5名以上1人2,000円1人1,000円9:00〜15:00
個室休憩(入浴込)1名利用3,500円9:00〜15:00
個室休憩(入浴込)2名以上1人3,000円1人1,500円9:00〜15:00

※中学生以上は大人料金/幼児無料
※毎週水曜日は大露天風呂が20時までの営業となります。

アクセス方法|車が便利な高原リゾートへの道のり

須川高原温泉は標高1,100mを超える高地に位置しているため、公共交通機関でのアクセスは限られており、車利用が最も便利です。道中には景勝地や名水ポイントもあり、ドライブコースとしても人気です。

所在地:

岩手県一関市厳美町字祭畤山国有林内

車でのアクセス:

  • 東北自動車道「一関IC」より、国道342号線経由で約80分
  • 冬季は積雪・通行止めの恐れあり(冬季休業あり)

駐車場:

  • 無料駐車場完備(約100台)

公共交通機関の利用を考えている場合は、JR一関駅からレンタカーを利用するか、タクシーを手配するのが現実的です。道中には自然美が溢れ、季節によっては山菜採りや紅葉ドライブも楽しめます。

まとめ|大自然と強酸性の名湯が織りなす、唯一無二の温泉体験

栗駒山の山懐に抱かれた須川高原温泉は、温泉の質、ロケーション、湯の管理体制、すべてが揃った東北屈指の名湯です。強酸性の源泉かけ流しは、訪れるたびに体だけでなく心までも洗い流してくれるような不思議な力を感じさせます。

さらに、多彩な入浴プランや広々とした施設構成により、日帰り旅行でも宿泊でも満足度の高い温泉体験が可能です。豊かな自然のなかで湯に浸かりながら、心と体を癒す時間は、まさに贅沢そのもの。

2025年夏、栗駒山の大自然と須川温泉の恵みに触れる旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。温泉を愛するすべての人におすすめしたい、東北が誇る“本物の湯治場”です。