北海道の南東端、日高山脈が海へと流れ込む襟裳岬。その周辺には、雄大な自然と海の絶景、豊かな漁業文化が息づく魅力的な観光地が広がっています。本記事では「襟裳エリア(半径60キロ圏内)」を対象に、訪れる価値のあるスポットを厳選してご紹介します。風が強くとも、心は穏やかになる。そんな旅がここにはあります。
襟裳岬(えりもみさき):日本有数の強風地帯に佇む絶景の岬
襟裳エリアの象徴的存在といえば、やはり「襟裳岬」。太平洋に向かって突き出した地形が特徴で、風速10メートル以上の日が年間260日以上もあるという“風の岬”としても知られています。
岬の先端にある【襟裳岬灯台】や【風の館】からは、荒波が岩礁を叩く迫力の海景色を一望できます。5月〜7月頃には、アザラシの群れが見られることも。季節や天候によって様々な表情を見せる襟裳岬は、訪れる者の心を打つ感動のスポットです。
歴史:アイヌ文化と漁業が息づく土地
襟裳地域は、古くからアイヌ民族の生活拠点として栄え、漁業が文化の中心でした。地名の由来もアイヌ語の「エンルム」(岬の意)に由来します。近代以降はコンブやサケ、ウニの漁業が発展し、現在でも地元の食文化として根付いています。
また、昭和30年代には美空ひばりの『襟裳岬』で一躍全国に名を知られ、1970年代以降には森進一の同名曲によって再び注目を浴びました。歌に詠まれるほど、人々の心に残る場所なのです。
見どころスポット5選:自然も文化も体験できる!
1. 風の館(襟裳岬)
強風体験ゾーンやアザラシ展望スペースがある施設。ジオラマや映像展示もあり、襟裳の自然や生態系について学べます。
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2. 百人浜海岸
襟裳岬の西側に広がる長大な砂浜。夕暮れ時にはオレンジ色の空と海が織りなす幻想的な光景に包まれます。
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3. 様似町 アポイ岳(標高810m)
高山植物の宝庫として有名。ユネスコ世界ジオパークにも登録され、登山初心者にも優しいコースが整備されています。
4. アポイ岳ジオパークビジターセンター
アイヌ文化や郷土資料を展示。地域の歴史を学びたい方におすすめの文化スポットです。
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周辺観光地・温泉情報
■ 様似温泉「アポイ山荘」
アポイ岳登山後に立ち寄れる天然温泉。塩化物泉で肌にやさしく、露天風呂からの自然眺望が楽しめます。
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■ トロン温泉 田中屋旅館
北海道・日高地方の南端、様似町(さまにちょう)にある「トロン温泉 田中屋旅館」は、雄大な太平洋の絶景と、希少な“トロン温泉”を楽しめる知る人ぞ知る名宿です。
田中屋旅館の特集記事はこちら
■ 浦河町:優駿の里
競走馬の産地として知られる浦河町では、馬と触れ合える観光牧場や乗馬体験施設もあり、家族連れにもおすすめです。
アクセス方法
■ 自動車でのアクセス
- 札幌市内から約4時間(約230km)
- 新千歳空港から約3時間30分(約200km)
- 帯広市から約2時間30分(約150km)
■ 公共交通機関
- JR日高本線(様似駅まで/※一部運休区間あり)
- 様似・えりも方面への都市間バス(道南バス)が札幌・帯広から運行中
※襟裳岬へは最寄りのバス停からタクシー利用が便利です。
注意点
- 天候に注意:襟裳岬は風が非常に強く、特に冬季は道路の凍結や吹雪に注意が必要です。春~秋が観光に最適なシーズンです。
- 服装:夏でも風で体感温度が下がるため、ウインドブレーカーや防寒具を準備しましょう。
- ガソリンスタンドが少ない:長距離ドライブの場合は給油計画を事前に確認しておくのが安心です。
まとめ:雄大な自然と文化が交差する、旅人の心を癒す地
襟裳エリアは、北海道の中でもひときわ自然の力強さと人々の営みが感じられる場所です。壮大な海景と風、アザラシや高山植物といった自然の宝庫に加え、アイヌ文化や漁業の歴史も垣間見ることができます。観光地としての派手さはないかもしれませんが、そこにあるのは静かで、確かに心を揺さぶる風景。北海道旅行の締めくくりや自然探訪の旅に、ぜひ襟裳エリアを加えてみてください。